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2007年4月21日 (土)

キハE200とご対面

4月16日、長野駅にて。

Kiha_e200

PENTAX MX /  smc PENTAX-M  1:2.8  40mm  /  エクタクロームE200一段増感

なかなかゴージャスなつくり。

・ステンレス車体
・拡大断面。キハ110系がストンとした箱なのに比べて、車体幅が広げられている。
・側面窓ガラスが一つおきに、上下で分かれているように見える。開けられるものと思われる。
→冷房故障時の担保? 高原の空気を感じられるための演出?
・屋根上にはクーラー(かまぼこ型の方?)とリチウム電池群と思われる箱。
・床下機器は、ぎっしり。手前半分は電車のよう。インバーター箱、送風機。

車両価格も通常の気動車の1.5倍だという。

さて、鉄道車両で初のハイブリッド車両、と聞くと環境にやさしい、とイメージするのですが、そんなにバラ色なのか。

分かりやすいメリットとして、駅停車中は(補充電時を除き)エンジンは停止する。
また、起動時しばらくはエンジン停止のまま・・・騒音は小さくなるでありましょう。

次に、燃費。
公表された数値によれば、燃費改善は、小海線で使用時、従来比10%。最大20%。
乗用車と比べると、改善率は小さいように見える。
思うに乗用車は軽負荷で走る割合が多く、軽負荷で効率の悪いガソリンエンジンを電気モーターが肩代わりすることによっての燃費改善余地が大きい。

鉄道の場合、エンジンはほぼ全負荷状態で使用され、熱効率的にはそう悪くない。
ハイブリッド化することによるエネルギー回収のプラスと、システムの複雑化=車両重量の増大によるマイナスの結果が10%ではないかと思う。

そして、このシステム成否の鍵を握るのは電池ではないか。
従来の充電電池並だとすると・・・
充電効率70%、放電効率70%では、ブレーキ中発電できた電力を有効に使えるのは50%足らず。

一方、充電電池にも寿命がある。
例えば、ある種の電車はアルカリ蓄電池で、停電時の最低限必要な電源をバックアップします。単位セル1.2V×70セルで約100Vを得ています。
低温に強い、長寿命などいい事ずくめのようですが、約10年で取替えとなります。
気動車はディーゼルエンジン始動時のバッテリーの瞬発力がいるので、アルカリ蓄電池は不向きで、自動車と同じような鉛蓄電池を使用している。寿命は、10年というわけにはいかないようです。

車両駆動にも使うハイブリッド車両、負荷電流の大きい蓄電池の、取替え周期がどの位長くとれるか、コスト的に見合うものなのか、一マニアとしては、興味のあるところです。

電車の良い所は、動力伝達装置が単純なところ。エンジン車のようなトルコン、トランスミッションがいらない。保守性に優れる。
また、減速中に電気ブレーキが有効に利く。
したがって摩擦ブレーキの負担が少なく、車輪の長寿命化にも有利。
エンジン車でも、ミッションを工夫してエンジンブレーキを利かせ、摩擦ブレーキの負担を小さくする研究も行われていますが、ミッションの複雑化をともない、保守上は必ずしも効果をあげていない車種もある。

ハイブリッド車両では、動力伝達系は電車と同様なので、その部分の保守性のメリットはあると思われる。

仮に小海線を電化しても、急曲線もあるので、旧式の気動車はともかく、キハ110系に比してはスピードアップできる余地はほとんどないのではないか。
列車本数の少ない線区では、相対的に架線保守の経費が重くなる。
また、高地ゆえの架線障害(霜、凍結)も避けて通れない。

そんななかで、ディーゼルエンジンを用いながらの環境性能への取り組み、車両の実践投入が、地元線区で行われる。
排出ガス中の窒素酸化物、黒煙を60%低減する目標だという。
燃費の10%に比べるとインパクトのある数字です。

素人考えでも、そろばん勘定はちょっと?がつくが、高原鉄道のイメージアップにこのような技術の挑戦が行われるなら、歓迎のまなざしで応援したいものである。

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コメント

プロの解説は見ごたえありますね。

新型車両のデザインですが、中身はハイブリッドで
外観は大糸線キハ52などのクラシックデザインなーんてのが
しびれるのですが。「キハE200クラシック」(^_^)

技術+デザインで注目されて小海線のイメージアップに
役立つのであれば大賛成です。

投稿: baja | 2007年4月21日 (土) 20:29

>baja様

>プロの解説・・・
もとはプロだったのですが、今は一マニアとしてです(笑)
気動車の保守はべたべた汚れ、電車の保守は乾燥埃といった違いがあります。
まあ、無事に走れば、保守上の都合は、お客様には直接関係のないところですが。

>クラシックデザイン
そういうのも限定数両あるとおもしろいですねぇ。
電車王国のJR東日本では、できるだけ電車と共通に作ることによってのコストダウンを考えているようで、キハ52外観は夢っぽいかナ。

>小海線のイメージアップ
そうなって欲しいですね。
小海線は勾配、気象条件等、厳しい使用条件となりますので、
まずはエンコしないで無事に走ってもらいたいところです。
お客様の関心度は、けっこう高いような気がします。

投稿: ゆうひぶたっくす | 2007年4月21日 (土) 21:05

E200(フィルムの方)の色合いが、ちょっと別世界っぽくて面白いですね。

ハイブリッド車、自動車の世界ではTOYOTAの戦略のおかげで随分メジャーになってきましたが、
公共交通や貨物輸送(トラック)なんかでも、もうちょっと真剣に取り組んでみる価値がある
ような気がします。(それこそ素人考えですけど 笑)

>乗用車は軽負荷で走る割合が多く
そうなんですよね。そうかといって小さなエンジンではドライバビリティの低下を招きますし。
ボディ対比で小型のエンジンを載せて、負荷変動とトルクの不足するところは電機で補う・・・
というのが基本でしょうか。
これに回生ブレーキによる総合的なエネルギー効率アップもある、と。

乗用車にしても列車にしても、まずは認知されて数が増えてくれば、デメリットの部分も
緩和されてくるのは間違いないのでしょうね。

投稿: ich | 2007年4月21日 (土) 21:33

>ich様

E200も一段増感したせいなのか、昼間の被写体には異様(笑)なカラーバランスです。
スキャナでも懸命に補正したのですが、列車の塗り色部分をまともに表現すると、こんな感じになってしまいました。

ハイブリッド、初期投資とバッテリーの耐久性さえクリヤできれば、もっと普及すると思いますが。
デジカメの電池でさえ数年で怪しいですから、電池交換の恐怖がぬぐえません。

エスティマのハイブリッド車にちょっとだけ惚れて、購入を検討したことがありました。燃費改善効果も大きく、面白いものでした。電池室を見て、ちょっと引きました。この電池、自分で金出して交換するとしたら・・・。まだメーカーの研究要素もあって、バッテリー保守代はメーカー持ちだったような。

普及すれば、コストの問題もだんだん改善するのでしょうね。

投稿: ゆうひぶたっくす | 2007年4月21日 (土) 22:41

これは乗ってみたいですね(^^)b。
しかし、直江津-長野-小諸-小淵沢-松本-南小谷-糸魚川、というルートで考えた場合、野辺山で途中下車という余裕もなく、その日のうちに帰宅できませんorz。

投稿: Legin | 2007年4月22日 (日) 01:40

>Legin様

マニアというより、一見、普通のおばさまのようなお客様からも、問い合わせが来るようです。
ので、けっこう、注目度は大きいような気がします。

ローカル線を乗り継いでいくと、所要時間もかかり、本数も少なく、接続も待ち時間があったりと、意外と大変ですね。
またとりあえず3両のみの投入で、狙って乗るのは骨が折れるかもしれません。
いずれにしても、営業運転開始の新たな情報を待たないと。。。

投稿: ゆうひぶたっくす | 2007年4月22日 (日) 23:36

非電化区間にハイブリッド車両E200投入..羨ましいです。
我が地元ローカル線にも(ハイブリッドでなくても良いから)新型車両が走って欲しいものですが..(諦)
#片道30km弱の往復なので、起点、折返し駅で充電する充電池車両で走れないものだろうか..(笑)

投稿: ken28 | 2007年4月24日 (火) 13:03

こんばんは。
待ちに待ったハイブリッド車のお目見えですね。
この配色で小海線を走るとなると、
今までのものとはだいぶイメージが変わりますね。

メンテナンス等には相当な費用が掛かりそうな・・・。
でも燃費向上、騒音低下を目指す世界初のハイブリッド車を、
「高原列車・小海線」に導入されるのは本当に嬉しいことですね。
ただ、ただ、早く乗ってみたいです。

投稿: くまごろー | 2007年4月24日 (火) 22:31

>ken28様

身近なところで、比較的短期間?のうちに、H3年の新型(現行の)ディーゼル、今回のハイブリッドと新しい車両にお目にかかれるのは、ある意味ラッキーです。

いままでの鉄道車両は、社会の変革に対して寿命が長すぎるきらいがあります。
最近の首都圏の電車は、車両製作費半分、電力消費半分・・・はいいにしても・・・寿命半分というコンセプトのもとに設計しているようです。

使い捨てない、という世の中に逆行しているように見えますが。
陳腐化して、前近代的になって乗客に快適を欠く車両をいつまでも使わなくてはならないという状態は、節約ではないと。

・・・小海線が、どこそこのように1ローカル私鉄だったら、とてもこんな力はなく、某鉄道と同じく古い車両を擦り切れるまで使うことでしょう・・・

>充電池車両:やはり蓄電池のスタミナと寿命、これがつらいですね。炭坑のトロッコ列車(エンジンでは坑道での排ガス、架線集電ではアークが出ると粉塵爆発)には実用されていましたが・・・。

>くまごろー様

今のキハ110系になって、大幅にスピードアップ、冷房完備になりましたが、今度ははめ殺しの窓が開かないという苦情もあったようです。
また、環境的には一時期ディーゼルバッシングが強まり、清らかな空気のイメージにそぐわないとの判断があったのかもしれません。

目先のソロバン勘定は少々あわなくても、将来に向けてのチャレンジが我が地元小海線を舞台になされるのは、とても幸せです。
さすが、日本のリィーディングカンパニーを目指す会社は太っ腹です(笑)

投稿: ゆうひぶたっくす | 2007年4月25日 (水) 11:24

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