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2008年1月12日 (土)

山岳遭難・・・ケーススタディ

登山関係の本を徐々に読み進めている今日この頃ですが、
何をそろえたらいいのか、何に注意したらいいのか、試行錯誤の途上です。
前には、ベテランについていって、天候不良で「引き返す。」という判断をリーダーが下し、従いました。が、内心それほどでもないのにどうして?と思った。
下山後、やはり天気が崩れて、「なるほどさすがだ。」と感心したものです。
しかし、天体写真を視野に入れた山登りは、単独行の機会が多くなるに違いない。
”~になる前に~する”判断が重要なのは間違いない。

こんな本を読んでみた。
ドキュメント、なので一般論と違い、文のひとつひとつに説得力がある。

Sounan

あっという間に読みきった。

遭難の中でも、道迷いによる例は多い。
「道迷い遭難」では、7例が取り上げられていた。

そのうち1例:ちょっとしたきっかけで迷い、結果的には進退窮まり、滝つぼに飛び込み足を負傷。8日ものビバークを余儀なくされ、ヘリにて救出。

「疑念を生じたら引き返す。」が鉄則なのだが、知識としては知っていながら、実際の場面では生かせなかった典型例であった。

ほかの事例でも、
せっかくここまで来たのだから。
戻る体力が残っていそうもない。
あとわずかで到達しそうだから。

など、いい方に解釈したい、人間の弱さが背景にある。

自分自身にも、割と最近、身に覚えがある。霧久保沢からの茂来山登山のときだ。

まずは、霧久保沢駐車場だ。(チャリできていたのだが)
案内図がある。
これをちゃんと見ていれば、自分が実際に迷った分岐には、「迷いやすいので注意」
と注意書きがあったのに。
自分はこの手の地図が嫌いだ。方角、距離が正確でなくイメージ的なので、かえって混乱するときがあるからだ。

Morai1

次に登山道入り口。

Morai3

ここから、割とすぐ(数百mか)右に分岐する道が正しい登山道だったのだが、しかも、後でよく見てみれば 茂来山→ にように標識もあったのに、直進を続けた。
それは、 こぶ太郎→ の標識のほうが目立っていたせいもある。
「べつにこぶ太郎は見なくたっていい。一路茂来山にいきたいのだ。」
という料簡の狭さ、あるいは秋の日暮れの早さに対するあせりもあった。
実際には、こぶ太郎は登山道のすぐ脇、ここからは同方向にあったのだが。
ガイドブックも一応斜め読みしてはあったし、携帯もしていた。
その前日、真木沢口から登ったとき、ガイドブックの道と実際の登山道がやや違うように思う部分があったため、このガイドブックに対して疑心暗鬼になっていたという背景もある。

さて、誤って分岐を直進すると、
なんとなく心細いな、とは早いうちから思っていた。でも、いちおう踏み跡もあるようだし、ただ、コースを示すリボンはないのが気になってはいた。

Morai4

まあ、時々はガイドブックを開いて照合してみたのだが、大体の方角はあっているように思えた。さらに、水場を示すマークもある。この川のことか。
さらに進むと、川か登山道かよくわからない。何かおかしい?気もしなくもない。

Morai5

と思っている矢先、わりと新鮮(笑)な獣の糞を発見。
さて、どうしたものか、と思っている矢先、前方至近距離の斜面をカモシカが駆け上っていく。
クマでなくてよかったが。
さらに、人の踏み跡と思っていたのは、よくよく見ると獣の蹄っぽい。
この場に及んで、ようやく道に迷ったことを確信した。
元に戻る。答えはすぐ出た。
同じ経路をたどって戻るべきである。

しかし、ここまでだいぶ歩いた。この位置エネルギーどうするんだい、というけちな気持ちがもたげた。
むりに尾根を越えて向こうに行ってみようかとも思った。急斜面で足がすべったのでやめた。
なるべく何とか有効活用しようと悪あがきして、変な作業道を歩いていたりもした。
いやいや、こんなことをしていてはいけない。振り出しに戻るのだ。ようやく我に返ってしぶしぶ戻ったら、ほとんど登山口まで戻らなければならなかった。

出直すと、ガイドブックをよくよく見返してみると、小川を渡るとある。

Morai6

なだらかで広く歩きやすい雑木の道ともあった。
これなら、安心。

Morai7

さらにこぶ太郎もあった。

Morai8

大きなトチノキを見てとはこれのことか・・・

Morai9

大きなトチノキとこぶ太郎(も大きなトチノキ)の説明があいついで記載されているが、よく読まないと紛らわしい。
たくさんの山を一冊に収めたガイドブックは、ひとつの山に割ける紙面は限られているので、よく読まないと誤解しそうなこともある。

このときは天候もよく、滑ったのもほんの数十cmで大事には至らなかったが、遭難の事例も序章はまったく同じケース、心理背景はよく似ていて、今から思うと冷や汗ものであった。

ちょっとしたことがきっかけで冷静な判断を失い、そのときそのとき当人は最善の判断をしているつもりであっても結果的に大事故になることは、LX分解で経験している(爆)ので、今後の戒めとしたい。

だが、この種の本を読んで怖気づいたかといえば、むしろ山への憧れは増幅していくのであります。

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コメント

もう少しだから・・というので、やり過ぎるのは登山に限らずやっちゃいますよね。(^^;
昨日のニュースで、遭難して自力で下山した人の話題をやっていましたが、
ベテランの登山者でも、ほんのちょっとした判断の違いで道に迷ってしまうんですね。
今は携帯できるGPSなども入手しやすくなっていますから、
そういうものを利用するのも良いかも知れませんね。

投稿: ich | 2008年1月13日 (日) 11:54

>ich様

もう少しだから・・・とやりすぎてかえって壊してしまうこと数件orz
このところ、根をつめること、細かいことがうまくできません。

山の事例では、初心者はちょっとした思い込み、ベテランでも悪天候で視界の利かないときに道迷いがあるようです。
もっとも、条件のよいときに通常のコースで何度登っても、本当の意味のベテランとは言えないそうです。
GPSも有効活用すると、いいかもしれません。
山ではスタミナ、電子機器も電池のスタミナが問われます。肝心なときにLOW BATTERYでは困りますので。
どうも、私も最近頭脳がLOW BATTERYです(笑)

投稿: 豚磨 | 2008年1月14日 (月) 00:04

無事帰還され、何よりです。

自分は、若いときに夏の早月尾根~剣岳山頂~下ノ廊下、宇奈月帰着3泊4日ルートで怖い思いをしたのを機に、2,000m級登山は止めました。
#何のことはない、体力の限界(笑)
★ただし、簡単に行ける立山は別です。(業務にも関係するので..苦笑)

昨年、その立山に登った際、山小屋に「アルプス交番勤務を命ず」(谷口 凱夫 著、山と渓谷社刊)という本が置いてありました。

近年、一般登山者の装備が充実し、便利になった反面、かえって山の遭難が相次いでいるように思います。

この本を読むと、遭難のために多大の経費と労力が払われていることがよく分かります。

#あっ、琢磨さんの登山を指すのではございません。m(__)m

投稿: Ken28 | 2008年1月15日 (火) 13:42

>Ken28様

 このときは気象条件や地形の厳しくない里山での道迷いでしたので、生命の危険を感じるまでにはいたりませんでした。
が、ショートカットを試みた際、怪我でもしていたら関係者に迷惑をおかけしていたかもしれません。
 ここいらの本を読んでみて、自分の、きちんとした計画に基づいた登山経験はないに等しいことがよくわかりました。それは、ときに無謀登山ともいうらしい。反省。

>剱岳、立山
剱岳、行かれたのですね。私には、歯が立ちそうにありません。
遭難本にもいくつかの痛ましい遭難例が出ていまして、自分的には注目し始めた山域です。
交通機関でアプローチが容易になった反面、心構えまで安易になってしまったことが背景にあるのではないでしょうか。

しかし、個人的には、いつか行ってみたいという魅力もまた、沸いてきました。(もちろん冬季は除いて)
剱岳は遠巻きに眺めるとして、立山には行ってみたい、とひそかに構想を暖めています。
自然への畏敬の念を忘れず、天文趣味人ですから気象条件にも関心を払って、山の魅力を感じていきたいものです。

投稿: 豚磨 | 2008年1月16日 (水) 21:05

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