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2008年3月10日 (月)

K10Dダークフレーム

早々とK20Dを手に入れたGumboさん同様条件で、K10Dのダークフレームを撮ってみた。
ただし、事実上天体撮影時は強制NR-onになってしまうK20Dにあわせて、K10DもNR-onにしてあります。

ISO800、約5分、室温18度。中央部分の原寸トリミング。

Dark_k10d_iso800_mag

ISO1600、約5分、室温18度。中央部分の原寸トリミング。

Dark_k10d_iso1600_mag

強調しない素の画面を見る限り、K10Dのダークフレームは真っ黒に見える。
なにか、条件統一を誤っているのか?

 ちなみに、Photoshopで50->255にレベル強調してみた物が画像が下のもの。

ISO800、約5分、室温18度。全体像。

Dark_k10d_iso8005enffull


ISO1600、約5分、室温18度。全体像。

Dark_k10d_iso16005enffull

さすがに、これだけ強調すると、K10Dにも特徴的なノイズが出ていることはわかる。

ISO800、約5分、室温18度。中央部分の原寸トリミング。

Dark_k10d_iso8005enfmag

ISO1600、約5分、室温18度。中央部分の原寸トリミング。

Dark_k10d_iso16005enfmag

うーん。GunboさんのK20Dの時と、条件統一に基本的な勘違いがないとすれば・・・であるが・・・ 

比較的露出時間が少ない一般撮影では、K20Dの高感度ノイズはK10Dより少なく、優れていることは、いくつかの実写でも認められている。
しかし、長秒時では、どうも逆ではないか?それも、結構の差で。

PENTAXも実は、この点では苦労しているのではないか。
・拡張でISO6400を謳いながら、バルブ時は1600までに制限。
・長秒時NRは、基本的には8秒以上で強制on


CMOSは長秒時で低ノイズといわれているが、これはCanonの功績である。しかし、Canonも初期(D30のころ・・・30Dではない)は評価が低かった。天文誌でも記事で「天文にCMOSは不適。またCMOSなんか買ってきたの?」という趣旨のやり取りがあったように記憶している。

サムスンのCMOS、初回作であるにもかかわらず、一般撮影に関しては、かなりの完成度で出してきているように思われる。
「サムスンと提携」と報じられたとき、こんな素晴らしいセンサーがこんなに早期に出てくるとは、正直期待していなかった。(それどころかPENTAXはもう終わった、とまで当時の掲示板には書き込みが。)
構造にもメスが入れられ、基本はよいものを持っている。

しかし、天体のような特殊使用には、もう一世代、時代が必要なのか??
特にHα線の感度も特筆すべきものはないようだ、とも。
もう少し天文誌等でのレポートも待ちたいが、私は、今回はレンズに走ろうと思う。

蛇足:フォビオンも素晴らしい撮像素子であるが、長秒時、高感度には弱い。バルブが30秒までというのはつらい。だから、今のところ自分の中では対象外である。
だが、こういったニッチな商品は独自の存在価値がある。
大切に育てて欲しいものである。

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コメント

こんばんは豚磨さん。

早速の同条件比較ありがとうございました。私も、豚磨さんの考察の通り、強制的にNRがONになることや、バルブではISO1600までという規制から考えて、ノイズはK10Dよりも多いのでしょう。

NRONでもノイズが残るという事は、単純な減算では消せないランダムなノイズが有るのだろうと思います。多数枚のコンポジットで消せば少しは良くなるのかも…とは思いますが、EOS KissDNを使う方が手っ取り早いのでK20Dは天体用としては使用しないかも。

ただ、K10Dのノイズがかなり少ないのにびっくりしました。こちらで(ほぼ)同条件で比較したKissDNよりも見方によっては少ないのかもしれないと思います。(私が試したKissDNはISO800,10分)
http://katte.txt-nifty.com/gumbo/2008/03/eos_kiss_dn_ae47.html

K10DのNROFFのものも見てみたくなりますね。

istDSを手放した後、長らく熱望していたプリズムファインダー機がどうしても欲しかったのですが、値段が下がってきたK10Dを買うという選択肢も悪くなかったのかも…と思ってしまいました。

投稿: Gumbo | 2008年3月10日 (月) 20:04

>Gumbo様

K20Dトーク&ライブショーのときにもK10DとK20Dのダークノイズの実験をしています。
そのときのヒストグラムからも「あれっ、K20D、ダークノイズ多め?」と直感しました。
同じ部屋で比較しましたが、K10Dのほうが室温になじんでいるかは微妙でしたので、断言は避けました。

ただ、K10Dを買う前にも、ちょっと暑いくらいの部屋でダークを撮らせてもらいました(笑)
そのときは、ちょっと見にはダーク画像は真っ暗で、感激した記憶があります。

K10DのNR-offも、ぱっと見にはけっこういいようです。
↓今回のと条件が違いますが、参考にしてみてください。
http://shinshu-no5.cocolog-nifty.com/mk53/2006/12/k10d_93a3.html
画面左上部に少し赤かぶりが見えるのと、ホットピクセルが見えます。
ただ、K10DをNR-offで天体に使うと少々困ったことがあります。
・ダークにははっきり出ないが、夜空では画面の片方に色むらが出る。NR-onでは出ない。参考↓
http://shinshu-no5.cocolog-nifty.com/mk53/2007/10/k10d_raw_5c38.html
・ダークを引く・・・ダーク画像だけ撮って減算処理しても、連続撮影すると
CCD温度が変わるのか、きれいに消えない。
こんなこともあって、私は、天体でK10D使用はNR-onのほうが面倒が無くていいと思い、そうしています。
無駄な持ち時間が生じます。
KissD系を持っている人は、やはりKissのほうを使うことが多くなりそうです。

投稿: 豚磨 | 2008年3月11日 (火) 19:50

天体の長時間撮影時、CCDのヒートシンクが霜の塊になるくらいペルチェやらで強制的に冷やして使うものだと思ってましたので、何も冷却していない一眼レフでここまでがんばれってると、技術の進歩はすごいなと思います。

投稿: でぱいゆ | 2008年3月12日 (水) 20:04

>でばいゆ様

K10Dは、意外と夜に強いということを再認識しました。
でも、すでに手に入れた方々のK20Dの昼間の画像もすばらしい。
ああ、両方いいカメラが出ないかなぁ。
K20Dのファームアップで出来れば最高なんですが。

投稿: 豚磨 | 2008年3月12日 (水) 21:42

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