K10D vs Kiss D AF精度編
正直いって、AF精度は素人の設備では測定は難しい。
PENTAXだけを使ってくると、AFなんか気にしないか、ひょっとして他社のAFはずっといいのではないか、といった漫然とした不安に駆られるか、いずれかだと思う(苦笑)。
一応、実験してみた。
ほぼ結像面から45cm先のものさしにカッターの刃を差したものを用意する。
AFは中央一点、AFシングル。そのカッターのエッジにAFエリアが来るようにする。
レンズはそれぞれの純正18-55ズームの55mm側、開放で使う。
ピントリングを∞側突き当たりから、および最も繰り出した状態からも試す。
シャッター半押し、合焦サインが出てからシャッターを切る。ものさしの目盛りで合焦のずれを見る。
まずは蛍光灯照明で (トリミングしてあります)
↓キスデジ
↓K10D
キスデジのほうが輪郭強調が強いのでシャープに見えるが、当倍でみるとK10Dのほうがきめ細かい。画素数が違うから当然なのですが。
本題であるAF精度は、いずれも、気持ち前ピンかな?とは思うが、合焦精度には問題なく、優劣もつけがたい。
∞側から、至近側からも、はっきりとした差は検出できなかった。
次に、白熱灯照明。赤外線成分が多いとAF精度が甘くなるという見解は、アサヒカメラ7月号でPENTAX自らが認めている。何らかの不都合が出るのだろうか。
↓キスデジ
↓K10D
いずれも問題ない。
ここまでの結果からは、
PENTAX AFも、合焦精度にいたずらに劣等感を持たなくて大丈夫。安心して使える。
と結論付けることができそうだ。
ためしにK10Dにsmc PENTAX-FA 1:1.4 50mmをつけてやってみることにした。F値が明るく、球面収差はやや古典的補正なので、何か影響が出るのかな、と。
↓白熱灯照明下 smc PENTAX-FA 1:1.4 50mm 絞り開放
うんっ?看過できないくらい前ピンである。4コマ撮ってみたが、同じ。
もちろんAFエリアは刃のエッジに重ねてある。
やはり、赤外成分の影響だろうか。そこで、光源を蛍光灯に・・・。
↓蛍光灯照明下 50mm F1.4開放
あれ、まったく的外れである。4コマ撮ってみたが同様であった。
もちろんAFエリアは刃のエッジに重ねてある。
K10Dを使ってAF撮影すると、ときおり「その合焦状態ちげーだろー!?」という経験をするが、こういうことなのかも。
どう解釈するか・・・。うーん、これは困った。
・明るいレンズになって、ものさしの細かい目盛り(横線)も拾えるようになった。
・なまじっか中央の測距点はクロスセンサーである。→横線にも合焦可能。
でも、これならずれる説明にはならない。
あと考えられるのは・・・
・位相差AFセンサーの弱みとして、繰り返しパターンには間違った位置で合焦することがある・・・これを適用すれば説明が付きそうだ。
ちょうどK10DのAFセンサーの特性とものさしの目盛りの繰り返しパターンが競合したのだろう。
これは、位相差AFの共通の欠点であって、AF精度の問題ではない。
K10Dに問題があるというより、AFは万能ではない、このことをユーザーは認識しているべきだろう。
レンズによって、パターンによって、光線のスペクトルによって・・・。
明るい、しかし設計の古いレンズは要注意かも。
キスデジではどうなるか?ほかに交換レンズがないのでなんともいえない。
そういえば、キスデジは蛍光灯照明のとき、合焦しないことが何回かあった。
こんなにはっきりしたエッジの効いた合焦目標でも?と不思議であった。
キヤノンは、繰り返しパターンで合焦が怪しいときは白旗を揚げよ、というロジックなのかも。
キスデジだってレンズやパターンのピッチによっては合焦のずれも出るかもしれないが。
なお、キスデジはAvモードでも"AIサーボAF"なので合焦後風がそよいだり、フォーカスロックして振ったつもりでもAFが再起動して毎回「ちげーだろー!?」となる。
Avモードはじっくりとることが多いのでワンショットAFにすべきと思うが・・・5年前の普及機に文句を言ってもしょうがあるまい(笑)
しかし、実写の場面で、できるだけ合焦率を高める工夫は各社とも(上級機ほど)行っている。したがって、PENTAXにもこの辺は頑張っていただかなくては・・・。
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コメント
AFの合焦能力の検証ありがとうございました。
最近、老眼が進んできて、一眼レフでのピント合わせがつらくなってきて、
レンジファインダーばかり使っています。
AFセンサーは中央だけ精度が高いのがあればいいんですけどね。
測距点がたくさんあっても中央しか使わないから。
投稿: でぱいゆ | 2008年6月23日 (月) 00:49
>でばいゆ様
>合焦能力の検証
やっていて、自分でもなにが結論かわからなくなりました(笑)
明るいレンズのときは特に気をつけたほうがいい?というところでしょうか。
>一眼レフでのピント合わせがつらくなってきて、
レンジファインダーばかり使っています。
レンジファインダー、ライブビューなどとは対極のひとつの到達点でしょうか。
一度味わってみようかなぁ、でもライカは無理でなぁ。地元企業ので?
そういえば、この検証は中央測距点しか使っていません。周辺も使うと、また違った評価になるでしょう。
でも、あまりにもデータが膨大になるので、やめておくことにします。
中央以上にいい結果が出るとは思えないし。
投稿: 豚磨 | 2008年6月23日 (月) 21:17