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2008年6月22日 (日)

K10D vs Kiss D AF速度編

 PENTAXファンは、あえて触れたくない部分かもしれない。
 PENTAXの魅力はAFなんかじゃない。そんなこと気にするならCやNに行け、なんていわれるのだろうな。
 でも、あえて愛の鞭を・・・。せっかくAFがついているのだから、安心して気持ちよく。
いや、ほんとうにAFのすべての面でCに劣っているのだろうか、という疑問もあった。

 5年前の普及機と1年前の中級機を比べるという、K10Dにとっては屈辱的な比較を行った。ある程度は定量的な測定ではあるが、精密なものではないことはお断りしておきます。

 条件:それぞれの純正標準ズーム18-55の望遠端にて、最初ピントリングを∞側突きどまりにしておく。
AFエリアは中央一点、AFシングル(キヤノンではワンショットAF)にしておく。
至近距離の毎分60拍のメトロノームの振り子が左に一杯振れたとき、シャッターボタンを一気に押し込む。メトロノームに貼り付けた白黒はっきりしたパターンを合焦させる。
 メトロノームの振り子の位置で、シャッターが切れるまでの時間を比較する。

 シーン1:明るい戸外で。

↓キスデジ

Brite_kiss


↓K10D

Brite_k10d

 キスデジはスッ、ピピ。さすがUSMではある。K10Dはギュッ、ピピといった感じ。
キスデジのほうがやはり若干速い感じはあるが、速度については意外と大差はなし。
K10Dは、何度も写すうちにややばらつきがあって最大中央(0.5秒)まで遅れることがあったが、キスデジにもやはりばらつきはあった。

 
 シーン2:電気のついた暗めの室内

↓キスデジ

Mid_kiss

↓K10D

Mid_k10d

 キスデジは明るい戸外のK10D程度まで少しスピードダウンするが、スウーッピピで良好。
それに対して、K10Dのほうは振り子がいったん右まで振り切って戻ってくる途中であることに注意したい。約1.5秒近くかかるわけだ。ギューッ、(一瞬沈黙)ギュギュギュピピ。

 この条件では、残念ながら大差が付いた。店頭での比較もこういった光量でのフィーリングになるだろうし、日常的にはあんがい多いシーンでもある

 
 シーン3:日中のカーテンを閉めた、暗い室内。

↓キスデジ

Dark_kiss

↓K10D

Dark_k10

 キスデジはこれから右maxへ向かう途中なのに対して、K10Dはほぼ1往復(約2秒)であることに注意orz。
 さすがにキスデジでも、合焦速度の低下が目立ってくる。K10Dはじれったいほど。


シーン4:日中のカーテンを閉めた、暗い室内かつ低コントラスト。
     シーン3で、白黒のパターンを外し、メトロノームの目盛りにAFエリアを合わせる。

キスデジ・・・スーコーッとピントリングが一往復して白旗。(合焦表示点滅)
K10D・・・2秒以上かかりながらも、何とか合焦。
極限状態では、K10Dも意地を見せた。ダメならダメと早く見切りをつけるキヤノンも正解とは思うが。

うーん。今回はAF精度は検証していない。
合焦速度だけを見ても、単にUSMとボデー内モーターという、駆動方式の違いだけではないような気がする。
K10Dでは、明るいときと中くらいの時と合焦速度に大差が出る。このことが、ペンタに対するAFの今一感を増幅させているようだ。この辺を、次期マシンではぜひとも改良して欲しいものだ。
SDMレンズではどうなのかも、試してみたいところではある。
 

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コメント

最近、視力の衰えを感じることもあって、AF性能にも関心が向いてきました。(笑)
自分のX2は本体のみ購入だったのですが、
カメラ店でキットレンズ付きのX2を試してみたら
AFの早さに驚きました。
家には銀塩時代の廉価版SDMレンズがあるのですが、
新型に比べると一瞬遅く感じられます。
一本くらいはちゃんとしたレンズを買おうかな。

投稿: ich | 2008年6月22日 (日) 10:27

興味深いテストレポートが続きますね。
今回のテスト用にメトロノームを指標にされ、また新たなメトロノームの用途が..じゃなくて(笑)

ぱっと見て結果が誰にも分かる、素晴らしいアイディアに感心させられました。

あいにく拙宅には誰も弾かない電子オルガンはあるものの、肝心のメトロノームが無い..じゃなくて(笑)
自分も何か代わりのモノを使って、ニコンとオリンパスを付け加えた合焦テストを..じゃなくて(笑)

銀塩時代、カメラにAFを持ち込んで先鞭を付けたのはミノルタだったと思います。
→天体写真には使い途が無く、カラーの自家現像に手が出ず白黒止まり→で、天文熱がいったん冷めました。
一眼レフが大型化・電子化され始めた頃でした。(で、この時期のカメラが一つもない)

あっ、支離滅裂になってますね..m(_ _)m
AFやライブビュー機能は、間違いなくもっと進化することでしょう。
そうなると、従来の一眼レフミラーや光学プリズムファインダーは不要となりそうですね。
(デジ一眼が出始めた頃、すぐに飛び付かなかったのは、レンズ交換式デジカメが出るのではないかと思ったから)

自分は天体望遠鏡もレンズ代わりとしているので、デジカメ(特にデジ一眼)の今後が気になります。
#下手をすると、また休止状態となるのかも..(心配)

投稿: Ken28 | 2008年6月22日 (日) 15:04

初めまして。かなり前から拝見させていただいています。PENTAXは高校時代の天体撮影からなので30年以上のつきあいです。現有はLXとK10DとK200Dです。フィルムも久しく使っていません。
 8月の日食に合わせて機材テストをして気づいたことがあります。正確なものじゃないですが、一応こういうことがあるということで。K200DとK10Dの比較なのですが、FC-65のf=500mmの望遠鏡直焦点では測光値に大きな違いが出ました。最初はK200Dで景色を撮影してみたのですが、何度やっても露出アンダーになってしまいます。そこでK10Dに付け替えてみたところ、問題なく適正露光でした。K200Dは+2補正かけないと同じにななりませんでした。日食のコロナ拡大撮影をK200Dのダイナミックレンジ拡大で取ろうと思っていたのですが、自動露光が当てにならないとちょっと不安だなあという気がしてきました。やはりK20Dを買った方が良かったか.....という気持ちです。でも充電不要の単三電池でいいのが海外で楽なんでK200Dも捨てがたいです。おなじCCD使っていてもやはり廉価版はそれなりの性能なのでしょう。
 ちなみにK200Dの長時間露光ではノイズはK10D並でしたが、カラーバランスが全くだめでオートでも赤くなりました。この点でもK10Dの方が星野撮影には良いと思いました。新しいカメラだからいいというわけには行かないのが天体撮影の難しいところですね。

投稿: miyu | 2008年6月22日 (日) 21:05

感覚ではなく目で分かる素晴らしい比較方法ですね。
僕はK10Dと30Dで同時代の中級機ですが、比較するまでも無い感覚の結果を感じています(笑)。
ちなみに30DにはUSMではないEOS使いに言わせると激遅AFと言われるレンズを使ってもK10Dを軽く凌駕しています。
ペンタックスには本当にこういった基礎の部分の開発を願います。
ファインダーがいいからMFでといった逃げ口上はもう聞きたくないですし、正直ファインダーを良くするのは他メーカーもちょっと頑張れば出来ちゃう事ですので。
次期中級機及び初級機において劇的なる進歩がなければ遅かれ早かれペンタックスは衰退しますね、確実に。一般的にカメラを撮る人の多くがAFでしょうし、基礎がなければ他でどう個性をつけようが受け入れられなくなります。やはりビジネスとしてやるなら一部マニア向けだけでなく広く一般受けしなくてはなりません。そういった部分でカメラとしての基礎を他メーカーと並ばせる事は必然だと思います。
ペンタックスだからAFは仕方ないや、では先は無いですよ。
こういった声 ペンタックスには聞こえてるのかなぁ。
この実験の意義は深いと思うんだけどなぁ。

投稿: こうこう | 2008年6月22日 (日) 21:30

>ich様

銀塩時代のAF化は、視力に自信のなくなってきた写真家がこぞって受け入れたらしいし、プロがそうなのだから、AFはアマチュアにとっても重要です、きっと。

初代キスデジの標準ズームはマイクロUSMで、ギヤ列はあります。
なので、カスッ、と少し音はします。
銀塩時代のEOS5につけたリングUSMのレンズが、ほとんど音もなくファインダーに合焦像が浮かび上がる様は、悔しいけど「すごい」のひとことでした。店でいじっただけでしたが(笑)
AFの速さも安定して速く、だめなときはだめと白黒はっきりしている点もいいのでしょう。
ただ、最近のISの入った標準ズームはUSMじゃないのがいまひとつ。
速さも静粛性もUSMなみとメーカーはいいますが、音はUSMの頃のほうがやはり静かだし、なにか手抜きを感じるのです。(上級レンズはISでもUSM)
キヤノン、最近、けち根性がちらつくような気が。

投稿: 豚磨 | 2008年6月23日 (月) 20:26

>Ken28様

 私も、電池がなければBシャッターの使えない、そしてプラモデルまたはもはや家電のような銀塩機が一番苦手です。
この頃は中古メカカメラにばかり走っていました。
私も、この頃は天文は休止状態でした。
 今、ライブビューやらミラーのないEVFのデジタル一眼も、可能性としてはすぐそこまで来ているような気もしますが、一方、光学ファインダーのよさもそう簡単には覆らないと思います。
 まだ巻き上げレバーのある、そしてファインダーはピントグラスという言葉がふさわしいカメラ・・・ロクナナ・・・をこよなく愛している(笑)私としては、新旧両方楽しめる今が幸せなのかと。
ライブビューが星にも便利ならいずれ受け入れていこうと思いますが、私は今のところ様子見です(笑)

投稿: 豚磨 | 2008年6月23日 (月) 20:44

>miyu様

はじめまして。m(_ _)m

>PENTAXは・・・30年以上のつきあいです
大ベテランのPENTAX人ですね。m(_ _)m
あ、8月の日食、行かれるのですね。いいなぁ。
K200Dの情報、ありがとうございます。大変参考になります。
それにしても、露出が違うのはどうしてでしょう?
長秒時でカラーバランスが全くだめ、というのも・・・。
うーん、買ってみようかどうしようか(悩)

ともあれ、日食の撮影、天候、幸運をお祈りします。

投稿: 豚磨 | 2008年6月23日 (月) 20:57

>こうこう様

>ペンタックスだからAFは仕方ないや、では先は無いですよ。
私も、切に、そう思います。
これを早期にクリヤしないと、ほかの売りが霞んでしまうと思います。
あと、K10Dは露出も気難しいと感じます。しょっちゅう露出補正が必要です。この点は*istDのほうが安心だった。
いままでカメラメーカーとして生き残ってきたPENTAXですから、きっといい答えを出してくれるものと信じております。
そのうえで、PENTAXとしての魅力を磨いていって欲しい、そう思います。

投稿: 豚磨 | 2008年6月23日 (月) 21:06

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