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2009年3月 9日 (月)

読後感想

 肉離れはおとといあたりから徐々に回復の兆しを見せ始め、痛くない可動範囲はやや広くなった。
 しかし、無理してまた元に戻ったらと思うと、変に臆病に、無用にかばって歩くことになる。
いつしか「ASIMO君」というあだ名がついた(笑)

 こんなときにはじっくりと本でも読んで、人生を見つめなおすのも良い。

まずは新田次郎の山岳小説「孤高の人」である。

 エンジン関係のエンジニアを営みながら「いつかはヒマラヤ」をめざして貯金しつつ、単独登山で低山から高山、夏山から冬山とこなし、偉業といわれるほどになった。
 結婚し、子ももうけるが、ヒマラヤのためには複数で組む登山も前提に入れなければならんだろう、と相棒と冬の槍ヶ岳にでかけ、北鎌尾根で遭難する。享年30。
 実在した人物を題材にしたフィクション。

 題材が山だからなのか、生死にかかわる緊迫したものだからなのか、あるいは理系的センスにみちた、理路整然とした筋書きの作者だからなのか、とにかくぐいぐい引き込まれる。

 ・目標に向かってこつこつ貯金をしている。→自分には痛い。
 ・もって生まれた脚力、日々のトレーニング、易から難へ、科学的な判断など、素人にいきなりまねのできるものでもない。
 ・複数、集団になったときの判断、統率の問題。
 ・妻子を残して・・・生後まだ1ヶ月の子供・・・を残して遭難。

 あらかじめあらすじは知っているのに、最後の描写はなんとか生還できる、してほしいという感慨に浸りながら読んでいってしまう。

 これらのことを考えると、おのずと今後の自分の登山のあり方も規定されよう、というもの。

 しかし文中、雪洞でビバーク中に吹き込む雪の挙動から、ディーゼルエンジンの燃焼室改善を思いついた、というのは真偽のほどはともかく、技術者冥利に尽きる、ロマンである。

 自分も、趣味の中から会社に、社会に貢献できるような発見があったらなぁ(笑)

 

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コメント

同じく、ディーゼルエンジン燃焼室改善のヒントを得たくだりが何故か今でも記憶に残っています。
このほか記憶に残っているシーンとして、
・猛吹雪が過ぎ去った後、雪の中からむっくり起きて、見かけた人を驚かしたシーン。
・『来た玉を相手の台へ返せばよい』と卓球を教えられ、これを忠実に守った結果、相手が次々に敗れていくシーン。
・近くの山へ、スキーにシールを付け出かけたが、湿った重い雪で思わぬ体力を消耗し、危うく遭難しそうになったシーン。
ぐらいかなぁ。(今も覚えている場面は..)
単独行時は全て独りで判断できたから災難に遭わずに済んだのに..と惜しまれます。

投稿: Ken28 | 2009年3月11日 (水) 22:55

>Ken28様

 そういえば、そんなシーンもありました。
 私など、この間読んだばかりなのに、もうかなり忘れています。
そして、この主人公は、なぜ(そこまでして)山に登るのか、という自己への問いかけが底流にありました。
最後の場面は、いくつもの たら、れば があるように気がします。
もっとこの主人公が生きながらえていればと思うと、惜しい気がします。

投稿: 豚磨 | 2009年3月12日 (木) 21:38

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