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2009年7月31日 (金)

後処理NRを使ってみた(2)・・・Neat Image編

  同じ後処理NRでも、ツールによって巧拙はあるかもしれない。ディテールの喪失を出来るだけ抑えてノイズを減らす、うまい話はあるのか。ichさんのところで知ったNeat Imageを試してみた。

RAW現像時、色ノイズ、輝度ノイズともNRを0にしたTiff画像をもとに、Neat ImegeのDefaultでNRをしてみたもの。

Dppminnidef

等倍の一部分

Tou_nidef

うーん、確かにノイズはきれいになるけれど、フィルムの浮動のように部分的にピンボケのようになるのは、好きになれない。
等倍で見ると、結構派手に塗りつぶししているようだ。

 しかし、Neat Imageには、ディテール重視にも設定できるのでやってみた。
原版は、NRゼロで現像したもの。

Dppminniohw

等倍の部分

Tou_niohw

等倍で観察すると奇妙なことになっているが、鑑賞距離から見ると、いい妥協点かもしれない。


ややボケることは大目に見て、ノイズ感を減らしたものもやってみた。
RAW現像のときCanon推奨?のNRをしてTiffにしたものに、Neat Imageのディテール重視でNR処理したもの。

Dppdefniohw

等倍の部分

Tou_nidppmix

ボケは我慢できないほどではなく、いい線かも。

さらに、現像時NR最大、Neat ImageでNRをdefaultにした、ノイズ除去だけに主眼を置いた処理をしてみた。

Dppmaxnidef

等倍の部分

Tou_dmaxnidef

リサイズしてしまうと、これもまああり のように見えてしまうが、元のサイズでは、自分的にはNG。まるで、障子糊に覆われた画像。(Neat Imageの説明にはNRを効かせすぎると、Plasticのようになるなどと書かれている)

 Neat Imageはたくさんのパラメータがあり、まだ改善するかもしれない。
が、天体応用には少々問題もある。
Auto Noise Profileを作成するときの四角いエリアの指定・・・ディテールのないフラットな部分を指定しなさい、とあるが、満天の星の画面では、フラットな部分なんてない。星景ならシルエットになった山ならできるが、雪に輝く山だと出来ない。

 そして、ノイズに埋もれた情報を蘇らせる魔法のツールではないことは、まず間違いない。
このツールでさらにノイズを低減するにしても、元の画像そのもののノイズが少ないほうが、やはり良い。
この常識通りの事実に、むしろ、ホッとした。

 星景の場合、コンポジットのような”正攻法”によるノイズ低減処理が出来ないので、使い方によっては有効かもしれない。

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コメント

Neat Image、なかなか使えるなあというのが私の印象です。
私の作例では half of weaker noize(keep more details) のモードで処理してみていますが、このへんは元画像の状態や撮影対象によって具合の良い設定は違ってくるのでしょうね。

「Auto Noise Profile」 確かに、なかなか都合の良いエリアは無いのですがQualityが30%程度にしかならなくても、それなりには処理してくれるようです。
一定以上の値が無いと次の処理へ進めない、などというどこかのカメラのような仕様でなくてよかった。(笑)

>ノイズに埋もれた情報を蘇らせる魔法のツールではない
そうだと思います。あくまで「To make images Look better」なツールですから。
シビアな使い方はともかくとしても、使える機材に幅ができる楽しみはありそうです。
今までは諦めていた、コンデジで撮る星景なども試してみたくなります。

投稿: ich | 2009年7月31日 (金) 22:44

>ich様
 
 貴エントリーのS5Proの作品は、効果があるわりに失うものが少ない、いいなぁと思います。
あまりにも元画像がノイジーな極端な例だからなのか、使うほうが半信半疑で斜に構えているからなのか、いまいち効果的でないような>自分の

 ここでディテール優先と表現したのは、私もhalf of weaker noise(keep more details)
を選んでいます。
 設定がいろいろと細かく選べるので、元画像の状況に応じて、さらに良好に追い込むことは出来そうです。
 でも、難しく考えずに、コンデジ高感度をそこそこ見れる画像にする、ような使用法も楽しいかもしれません。

 「Auto Noise Profile」のエリア設定、もし撮影時点で配慮できるのなら、わざとピンボケ画像も合わせて撮っておくようなことも考えられるのかな、と思います。

 けっこう賢いツールがただで手に入るなら、折に触れて活用していこうと思いました。

投稿: 豚磨 | 2009年8月 1日 (土) 18:58

遅ればせながら、
ペンE-P1の高感度・長秒時ノイズに悩まされていたので、大変参考になりました。
PhotoShopやステライメージ6でRAW画像を現像できないため、ノイズ軽減策に窮しています。
現時点では、オリンパス添付の処理ソフトで可能な限り画像の荒れを取ってからTiff→NeatImageへ持って行くしかなかろうと思っています。

ともあれ、天体画像撮影時の画質パラメータ設定から悩んでおり、どれが一番マシか?暗中模索しているところです。

本日やっと梅雨明けとなりましたが相変わらず星は見えず、なかなか検証が進みません。

投稿: Ken28 | 2009年8月 4日 (火) 19:30

>Ken28様

 ichさんの作品はきれいに仕上がっていて、効果を上げていると思います。
自分のは、どうも気持ち悪いです。特に等倍でみると(笑)
 NeatImage、いろいろパラメータがいじれますから、撮影状況や機種による特徴などに応じて、さらに改善がはかれると思います
 星景のように一枚しかない元から、作品として仕上げるときなどは有効なのではないでしょうか。
それにしても、晴れません。昼間は晴れているのですが。

投稿: 豚磨 | 2009年8月 4日 (火) 21:40

> Auto Noise Profileを作成するときの四角いエリアの指定・・・ディテールのないフラットな部分を指定しなさい、とあるが、満天の星の画面では、フラットな部分なんてない。星景ならシルエットになった山ならできるが、雪に輝く山だと出来ない。

ノイズ傾向が同じになるような設定で大きなフラットな面のある写真をあらかじめ撮影しておいて、
それをノイズ傾向のサンプルファイルとして読み込ませればいいのでは?

投稿: MTR | 2009年8月17日 (月) 17:08

>MTR様

 アイデア、ありがとうございます。 
撮影時に配慮できるなら、わざとピントをずらしてボケボケにするとか、考えてはいます。
ただ、Kissデジタルで撮影する限り、ノイズはそれほど深刻ではないので、RAWならKiss付属のDPPで済ませようと考えています。

投稿: 豚磨 | 2009年8月18日 (火) 20:25

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