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2012年11月10日 (土)

バッテリー駆動アンプで聴かないと人生無駄なのか(笑)

 金田明彦著「最新オーディオDCアンプ」なる書籍を目にしたのは、S56年のことだったか。

「一番音の良いパーツだけが存在価値があり、2番目のものは存在価値がない。指定のパーツを使わないと、このアンプを作る意義はない。」
そのくせ、0.47μFのコンデンサー1個で万単位のを指定していたりする。
そのほか、数々の名言が思い出される。

ホントかなぁ~と半信半疑ながらも、
 コストの関係で部品は勝手な判断で代用した=もはや金田式とは呼ばない=似非金田式プリアンプを試作してみたりした。いやな音を抜いていくマイナス音作りではなく、積極的な音作りは、確かに感じることができた。徐々に入信していった。
改良はとどまるところを知らず、月刊無線と実験誌に、次々と新型が発表された。
すっかり心酔して、それから1年後、金満アンプとも呼ばれる金田式パワーアンプを作った。トランスや電源のコンデンサは高級品が指定してあり、学生としてはつらかった。

Kanetadcamp

製作から、ちょうど30年たったが、今なお、ご機嫌なサウンドで鳴る。
しかし・・・
その後、金田式アンプは、電池駆動という、貧乏性にはおよそありえない形態へと進化をとげた。
しかも、「電池はナショナルネオハイトップに限る。」
「充電池は鈍い音になるのでダメだ。」
「電池電源のアンプで音楽を聴かないことは、人生を無駄にしている。」
とか、衝撃的な展開になる。
さすがに、卒業をした。

その後、何を思ったか、回路だけ金田式を真似た、しかし3.5W+3.5Wしか出ない、貧相なアンプを設計・製作した。
金田教を信仰しつつも、どこかで違う何かを感じていたのかもしれない。

Keyamp

回路図。

Dcpoweramp_cir

(誤)
※初段FET差動増幅を縛る定電流Trのベースを分圧している抵抗3.3kと2.4kが逆なのが正しい値ですm(_ _)m
 まさか、こんなアンプを製作する人はいないでしょうけれど、科学的な記事としては訂正しておかないと・・・
↓(正)

Dcamp12vkai_2

電源部。

Anteikadengen

・回路構成は金田式のパクリ。しかし使用トランジスタはW数の小さい、従って自ずとCobの小さい高周波特性のよいものが使える。
f特を調べたりしたが、NFBを掛ける前からすばらしい特性であった。
今は、資料が焼失していて、ない。
・汎用で安い部品のみでできている。その代わり、トランジスタはたくさん買ってきて、Hfeのそろったものを、徹底的に選び出す。金田アンプはとかく、部品を揃えるのがやっとで、石の選別しようにも個数がなくて・・・という妥協をしがちである。正しい評価をするには、ここで手を抜いてはいけない。
・電源は、一段エミッタ接地の誤差アンプで無難にまとめた。金田式の高度な二段差動誤差アンプはハイゲインゆえ、発振と隣り合わせである。1400円もするタンタルコンデンサを爆発させたりしてしまった。当時の学食5食分(笑)
・その代わり、+-に独立のトランスをおごった。(単に安いトランス2つのほうが安い)
・小口径のスピーカーとは相性が良く、ご機嫌な音のような気がしている。
・自作アンプは「自己責任」という優位性。音には本当は好ましくない保護回路を思い切って省略したりして、ピュアなところに近づける。

が、ふと回路を見ていて、虫が騒いだ。
±12Vなら、赤道儀駆動用に、鉛シール蓄電池2つ持っている。
待機電流は両チャンネルあわせても100mA強、赤道儀の駆動を考えれば6500mAhの蓄電池にとっては、ちょろいもんだ。
「二次電池は鈍い音がする。」という教祖の教えには背くが、電池駆動の実験をやってみるべきではないか。
人生損しているかもしれないのだ!!

早速、やってみた。

Batt_drive

うーん、なんといっても静か。

安物トランスがうならないだけでも、静かなのだが、実際にスピーカーから出て来る音が静かなのだ。
水彩画と油絵、越の寒梅と芋焼酎位の違いがある。もちろん前者がバッテリードライブである。

特に女性コーラスや金属性の高音楽器の透明さは、確かに病み付きになるかも。
ただ、低音の張力が少しゆるい。一定のダンピングは確保してはいるが、押してこない。ベースの弦のブルブル震えるような空気感が奥まる。
電池ドライブでないと、人生損をしている・・・というほどでもない気がする(笑)

二次電池だからなのか。しかし、ナショナルネオハイトップ20個は勘弁。
電池ドライブには、それに配慮したアンプ構成や電源レギュレーターが必要に違いない。
まだ電池ドライブの実力を生かしきったわけではない。

今のところ・・・AC電源+レギュレーターのほうがパンチというか魂は伝わる。一長一短だ。
一度、AC電源でも聞けるように、交直切り替えスイッチをつけた。
再びアンプに嵌っていくのか、この自分・・・

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コメント

面白いですね。最近はイヤホンすら使わずにiPadのモノラルスピーカーで曲を聞いているレベルの人間には縁遠い話題ですが。(^^;
しかし電池駆動の方が静か、というのはわかる気がします。回路の電源ラインの状態をモニターしてみたいですね。(笑)

投稿: ich | 2012年11月10日 (土) 16:26

ついに発病しましたね(笑)おめでとうございます。

うわさの金田式ですが、今は充電池になって絶賛連載中。


レレレおじさんは嫌がりそうですが、私のマンションでは小型スピーカー+サブウーハで鳴らしてます。

小型スピーカーはシングル球、サブウーハは前段にイコライザを入れて帯域と音圧を可変してます。

結局、マンションのような狭くて天井が低い部屋では大口径は使えませんし生活の邪魔なので。

自分で演奏録音した音源を鳴らすと、ギターはいいけどチェロとピアノはダメ(笑)楽器とは別物で生々しさは望めません。コントラバスのないオーケストラみたい。


今の録音は100ヘルツ以下がバンバン入ってるので何とかしたいですね。

投稿: 極楽蜻蛉 | 2012年11月10日 (土) 16:40

>ich様

 30年来の疑問、思いをわからぬままにしておくのはいけないと、ありあわせの素材を組み合わせて実験してみました。
健康診断では、聴力検査で若干疑問符が付くような年になりましたorz
しかし、そんな耳でも、あらためて、電源によって音は大きく変わるという事実を確認しました。
この静けさ、透明感を生かしつつ低音の押し出し、演奏の熱気が伝わるような改良ができれば、とひそかに思っています。
アンプは電源を変調してスピーカーに送る装置とも言え、電池電源の本質的なよさはどこかで感じています。

>極楽蜻蛉様

 ついに発症しました(笑)
無線と実験誌最新号にも金田明彦氏のお名前を拝見できることは、うれしい限りです。
真空管とFETの混成回路で、また一段とエキセントリックな感じがします。
あっ、充電池「認可」になったんですねぇ。
これは、最新の教祖の教えを請う必要がありますね(笑)
無線と実験誌がなかなか置いていない田舎。ぽちるにもちょっと勇気がいる雑誌です(汗)

自分で演奏録音した・・・すばらしいです。
そんなかたに育てられたシステムは、只者ではない予感がします。
こちらは田舎なので、スペースはそう困らないのですが、家族・近隣の迷惑を考えると・・・
やはりAC電源時代の物量金田式で38cmウーファーの3wayを思い切り鳴らす機会は皆無に近いものがあります。

小さなシステムもいくつか作ってみたことがありますが、今はフルレンジ一発がマイブームなのです。

投稿: keypon13^2 | 2012年11月11日 (日) 22:06

>無線と実験誌がなかなか置いていない田舎。ぽちるにもちょっと勇気がいる雑誌です

まあ結構高い雑誌ですよね。ただ図書館にはありますよ。

近くの福岡県立図書館の場合、
(雑)無線と実験 1949年5月〜1950年5月〜1983年12月

MJ無線と実験 1984年1月〜2012年12月 99巻12号

と、たぶん創刊号からありますし。


また公立(県立市立等)図書館の場合、他館資料借り出しサービス(全国)が必ず有りますから。当然無料です。

まず県立図書館のウエブでストックを検索してみて下さい。


私は気になる連載の場合、10冊づつ借りてます(笑)

投稿: 極楽蜻蛉 | 2012年11月12日 (月) 20:35

>極楽蜻蛉様

 耳寄りな情報、ありがとうございます。
県庁所在地の町まで行けば、等県でも創刊号からお目にかかることはできそうです。
でも、貸し出し対象外なんですorz
最新の教えを請うだけでも、行って見たくなりました。
いまや鉄道車両を動かすくらいの電流供給能力、Li-ion電池がキーを握りそうです。

投稿: keypon13^2 | 2012年11月14日 (水) 14:00

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