EOS Mとひと月
ライバル機との比較もろくにせず、EOSだからという根拠のない安心、星も何とかなるだろう、やがてはステライメージにも対応するだろう・・・というのが本音。
いざ手に入れてからライバル機の存在が見えてきたというか、他のミラーレスにも興味が出てきたという情弱ぶり。
でも、結局、この値段で手振れ補正の入った、動画にも便利な標準ズームと、描写の楽しめる広角単焦点のWレンズであることを考えれば、じっくり検討してもこうなったであろう。
一番の取柄は、
小さいのに、きれいに写る。踏み込んだ撮影でも、けっこう応えてくれる。
AE、AWB、色調の的確さと安心感はEOSそのものだし、基本的に良い画を得られると思う。
標準ズームを除けばたった一つの専用レンズ、EF-M22mm 1:2の描写がいい。
星もいい。近接もいい。歪曲も無いに等しい。そしてボケ味もいい。
見てくれは、F2のレンズにしては前玉が貧相でチンケに見えるが、みかけでは実力はわからない。
フランジバックが短いことで一眼レフでの常識を破れる設計の自由があるとするならば、そういったものを生かすレンズ群(必然的に広角のレンズとなろう)の開発を進めてほしい。10-22あたりの超広角ズームはどのくらい小型化できるのだろう。
EOS M/EF-M 22mm 1:2 STM F2.8/Av ISO100 +2/3EV補正
ところで、小さいならPENTAX Qがある。これに慣れていると、EOS Mでもずっしり重く感じることすらある。
そりゃ、PENTAX Qのほうが小さい。
しかし、センサーサイズでノーマライズすれば、EOS Mは驚異的な小型軽量といえるのではなかろうか。
実際に持つと、意外と持ち重りがする。密度があるというか。
堅牢なつくりにこだわった、不器用なほど真面目な設計だ。
もちろん、嫌いじゃない。
でも、重さがあまり重くならなければ、もう少し大きくても許容できる。
せっかく小型軽量にとことん挑んだ意欲作なのに申し訳ないが、
小さすぎて、右手で握ったときどうしても操作ボタンを押し込んでしまう。
再生ボタン2秒押しで再生モードで電源が入ってしまうこととあいまって、ちょっとわずらわしい。
この辺は異論も出ると思うけど。
次に、改善してほしいこと。
・星屋としては、レリーズスイッチ端子は省略しないでほしかった。高々30秒ほどしかシャッターの開けないPower Shot上級機にさえ付いているのに。
・ちょっと前なら、キヤノンCMOSといえば他社ユーザーも羨む星屋御用達の低ノイズ性能、最近ではかすんでいるのではないか。高感度性能は、ミラーレスではトップクラスではあるが、トップではない気がする。
センサー性能のほかにも、ローパスレス、カラーフィルターの配列、フォビオンなど、独自の特色をひっさげて参戦している他社の気合に比べて、新しいチャレンジがない。
もっとも、次期センサーの投入を示唆する発言もあり、再び他社を圧倒するものならば、また買わなきゃならないじゃないか(笑)
・AFが遅い、像面位相差の意味があるのか・・・個人的には、専用レンズでライブ1点AFならば、まずは快適な範囲。
でも、せっかく像面位相差があるのだから、静止画で明るさなど条件を満たすときは、「最後まで位相差AF有効」をオンオフで選べるようにするとか。(ライブ1点AFで像面位相差のない画面端と中央付近で遠近AFを繰り返すと、やはり像面位相差は効いていると実感する。)
・エントリーEOSという遠慮。たとえば、レリーズスイッチ端子がないこともそうだが、EOS Utilityでリモート撮影ができない。
レンズも、駆け出しで本数が少ないのは仕方ないとして、ロードマップすらない。EFレンズをアダプターでつけなさいといわれても、メリットが薄い。
ミラーレスは一眼レフのシモベではなく、原理的に小型軽量・短フランジバックという別の魅力、長所があるわけだ。新たなEOSとして、存在を認めるべき。それによって一眼レフではの魅力がなくなるわけではない。双方が魅力を磨けば、両方買う。
今後のバリエーションはどうしましょうか。
星屋としては、電池を大きくした分、重くなってもいい。そして、もう少し大きくていい分、EVF、バリアングル、内蔵ストロボも織り込める。
でも、それだけじゃ、他社でもう出てる。
そう、次世代イメージセンサーで再び高感度番長。EVFは高感度ブーストモードがあり、星景の構図が容易に取れる。バリアンをめくると、イメージセンサーを放熱するヒートシンクが剥き出ていて、長秒時繰り返しに強いとか、オプションで冷却ユニットをつけられるだとか。
いやはや、星に偏向しすぎたけど、一般にはAF速度の改良だろうか。要はキヤノンならではの攻撃的な一手がほしい。
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