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2013年9月 1日 (日)

バッテリードライブアンプ±12V→±18V昇圧化(2)

 改造工作は難しいことは何もなかった。
分解していると、電源の誤差アンプの分圧抵抗の値が+-で異なっている。なぜかと首をひねっていると・・・ツェナーダイオードが+側では5.6Vなのに-側は6.2Vであった。けっこうテキトーなつくりで驚いた。ところが、5.6Vに限って1/2Wタイプがない。仕方なく1Wタイプの太いのにした。電流もその分多く流すようにした。
 また、せっかく差動アンプの2段目の負荷抵抗を取り替えるのだから、初段の3kΩも合わせて誤差1%の抵抗に新調した。(取替え前は誤差5%)

 今までの6Vも有効活用して、追加のバッテリーは12Vひとつで済ませた。
全体像はこんな風になった。

Dcamp18vall

 音はどんなか!?はやる心をおさえて、まずは点検調整。
まずRチャンネルから、出力のオフセット電圧(入力0のときの出力直流電圧、もちろん0Vが理想、±0.1V以内ならまあOK)・・・0.2V
 うーむ、ちと大きい。が、まあいいのかな~?
 初段にオフセット調整用半固定抵抗を入れるのが正式であるが、本機としては、設計時にそれ以後アンプを中継することのないパワーアンプだし、「こまけーことはいいんだよ。」的な発想で省略してある。接点をひとつでも減らすことによって音質劣化を防ぐ思想もある。
 二段目のA684のコレクタ電位の0Vと、終段のアイドリング電流20mAの調整はスムーズにいった。

 ここまでやれば、とりあえず音出しはできる。わくわく。
SWオン! ブチッ!!ん?  
ちとON時のポップノイズが大きいなあorz オフセットが大きめだからだろうな。
 めげずに片チャンネル38cmウーファー3Way音楽再生開始。いきなりベートーベン田園第4楽章。おお、なかなかいいぞ。
低音がブカブカしない。弦がぼやけずにピントが合っている。低音の今一息の締りが欲しかったのだから、目指したとおりの方向に仕上がった。
ただし、金田式のような、ウーファーのボイスコイルを強制的に原点に引き戻すような特徴・・・時として、聴き疲れにも繋がるのだが・・・はない。口径の大きいスピーカーの低音として、伸び伸びと自然に出てくる。
中音、高音は±12V時代より更にいい。
昇圧化のせいか、性格が明るくなった。(バイパスコンデンサーのせいもあるかもしれない)
中高音の弦がつやっぽい、しなやか、やさしい。
金管楽器が空気に浸透してくる。
超高音域が再生できないと思っていたツイーター、コーラルH-70から切れのいい高音がシャンシャンと出る。
音楽に浸れる。

 金田式40W(但し、我が家の金田式が本来の金田式の音質を保有しているかは確証をもてない)では、写真で言うとアンシャープマスクで輪郭を太くシャープネスを強調したような、ガッツとメリハリ。いってみれば、”音楽に打ちのめされる”というところ。
 しかし少なくともAC電源時代の金田式は、悪い言い方をすると聴き疲れするような分厚いエネルギッシュと中高音が荒れっぽい音と感じるときもある。
 金田式は、基本的にスピーカーも良いものを要求する。他の機器の質を上げていくと金田氏の言っていることは当たっているようにも思える。広いリスニングルームで大きな音で聞くことを前提にしているように思う。
 現実のしょぼいスピーカーで、一般家庭で、勤務後の疲れた体で、そっと音楽に癒されたいときはちょっと違う。
金田式は、こういう積極的な音作りが基準だから、本器のようなアンプは「魂の抜け殻のBGM」なのかも知れない(笑)。

 金田式に出会って以来、良さを認める一方、常々この積極的ゆえの聴き疲れに対するアンチテーゼのようなアンプを一方で育てていた(笑)
 今回の昇圧化は、金田式に範を求めつつも対向しうるアンチテーゼとして、最小のコストで、大きな収穫を納めたかに思えた。(大袈裟)

 ふと、出力段の放熱器に触ってみる。+側を受け持つD882だけが異様に熱く、B772はほんのり暖かいだけなのだorz
 スピーカーをつながないときはこのようなことはなかった(´・ω・`)
となると、高周波の発振か。恐れていたことが起きた・・・?
だが、発振して+だけが熱くなるか。音質的にはまともだし。
発振にしては、調整に対する反応は安定していたし。
トラブルシュートの数日間というもの、仕事が手につかなかった(いいえ、仕事はこなしましたが)(笑)
 もう一度冷静になってオフセット電圧/スピーカーインピーダンスを計算すると、
0.2V/8Ω=25mA。
うーむ。出力段のアイドリング電流20mAを超える値になるではないか!!
D882には45mA、B772はカットオフしてほとんど流れずということになる。

 出力段に400mA~1A以上も流すAC電源時代の金田式なら全然気にならないオフセット電圧でも、アイドリング電流をあまり流せないバッテリードライブの場合、丁寧に調整すべきである、との仮定を立てた。

Dcampoffset

 この仮定を実証するには、初段の3kΩのどちらか一方に直列に抵抗を追加して、バランスをとってみればいい。結果、3kΩに追加すること88Ω(写真茶色の平べったい抵抗)でオフセット0Vを得ることができた。
この調整後は、仮定を裏付けるかのようにD882とB772の発熱は平等になった。
 たまたま5%誤差の抵抗の誤差が、オフセットを小さくする方向に働いていたと考えられる。1%誤差の高精度抵抗に置き換えることによって、逆に、オフセットを増やしてしまっていたわけだ。まあ、直流的問題ですんでよかった。

 皮肉なことに、Lチャンネルでは、このオフセット調整はしなくても満足な範囲に収まってしまっていた。備えあれば憂いなし、というところ。
 オフセット調整後は、電源ON時のポップノイズもほとんど気にならなくなった。
バッテリーから見たトータルの電流は約110mAで、4Ahのバッテリーでは満充電で36時間使える。充分実用的だ。貧乏性でも「ああ、電池が終わっていく・・・」なんて気持ちにならなくてすむ(笑)

 ちょっとした改造でずいぶん音質的には変化が出た。もちろん、良い方向に。ただし、プラシーボ効果があるといけないので(笑)もう少し、視聴を繰り返すことにする。

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