PENTAX K-3を独断で考察する
PENTAX K-3、期待のフルサイズかとも思われましたが、APS-C機として順当に、そして確実に魅力を増して登場するようです。
小変更ではないPENTAXの意欲を感じるK-3には、久々にワクワクするものがあります。
上の表は、K-3をCanonの新鋭70Dとともに、勝手に興味のあるところだけを我が現有勢力と比較してみた表です。そもそも、K-3は7Dクラスと比べるべき位置づけでしょうが。
まずはイメージセンサーですが、画素ピッチは4μmを切っています。1画素あたりではEOS 5D MarkⅡの画素面積の1/2.7倍です。にもかかわらず、拡張扱いでなく常用としてISO上限51200を謳っています。この辺はホントかなぁ、という若干の疑問がないわけではありません。古いとはいえEOS 5D MarkⅡのISO6400の画質と基準が同じとは思えません。まあ、それはEOS Mの常用上限がISO 12800というのが優れているとはとても言えないのからして、押して知るべしというところか。
個人的には、24MPとか、そこまでして高解像が必要か(そしてトレードオフになる高感度ノイズの悪化を伴ってまで)という疑問がある。ローパスレスも嵌ればすごいと思うが、現有の機材でも解像度に不満を持ったことはないし、まして動的にモアレを軽減するなんて相当にペンタックスはウリを見出すために頑張ったといえる。
ソニーの高画素センサーが、それより低画素のキヤノンセンサーより本当に実際の画で確実に低ノイズというのが実証されたら・・・、本当にそんなことが科学的に立証されたら・・・キヤノン機にこだわる必要はなくなる。興味のあるところだ。
次に連写速度とバッファーですが、ハードウェアをケチらずに、K-3よ、よく頑張ったといえる点でしょう。AF-Cがどのくらい良くなったかは、今後の評価を待つしかありません。そこへいくとEOS Mは物足りなさが目立つ項目です。
光学ファインダーは、K-3はAPS-C機としては高水準です。ただし、ここで換算倍率という評価尺度を導入してみました。つまり、フルサイズで標準50mmレンズと同じ画角になるレンズは、ペンタで50/1.5mm、キャノで50/1.6mmですから、フルのEOS 5D MarkⅡと比較するには1.5ないし1.6でカタログ倍率を割らなければなりません。こうすると、まだまだフル機のファインダーには及ばないことがはっきりします。フルサイズ機の大きな魅力のひとつともいえます。
今回K-3は動画にも力を入れてきました。H.264や音声レベルマニュアル、動画時の画のマニュアル調整も出来るようになりました。EOS 60Dで出来ていたEOSムービーの機能は超えてきた感じです。(使わない人は使わないんでしょうけど)
あと天体で重要なのは、LV時のピント合わせのしやすさ(撮影時の拡大表示でレスポンス良く、解像度良く観察できること)ですが、こういったカタログに現れない性能が改善されていることを期待します。
あと、高スペック化に伴い、重量の若干の増加は、小型軽量を売りとしてきたペンタックスとしては意外ですがやむをえない範囲でしょう。標準レンズにはフルサイズでは50/1.8APS-Cレフ機には35/2を想定しています。また、電池スタミナが若干つらくなっているかなという懸念はありますが、EOS Mを思えば大丈夫でしょう。
像面位相差など、センサーに付加機能を盛り込むことが各社とも多くなってきましたが、ミラーレスにはDPAFなど画質を保ちつつもAF速度改善という方向は必然として、レフ機にはオーソドックスなセンサーを積んで、画質最優先で行ってほしい。(そういう機種も残って欲しい。)
さて、最近、自分ではめっきりEOS Mの出動回数が増え、EOS 5D MarkⅡはここぞ、というときだけになりつつあります。やはり、小型軽量で画質も必要充分というのが効いている。HPで相次いで発表前のK-3とEOS M2がチラりと見えちゃったわけですが、その後Canonのほうはぷっつりうわさが途絶えているのは、なぜだろう。フルサイズソニーのインパクトに押されて影が薄くなるのを嫌ったか?
欲しくて我慢できないような新製品は、最近スパンが長くなってきたので、生活を圧迫するようなこともなくいい傾向だったが、平衡が崩れるような製品の出現,、K-3は久々にPENTAXのやる気を垣間見た、グラリと来た製品です。ただ、価格帯も上級機なのですぐにはカムバック、PENTAXとはいかないかな(苦笑)
それに比べると、Canonの意気地なし・・・。EOS M2はどうなった?!
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コメント
ひさびさに期待できそうなカメラに仕上げて来ましたね。
内容は大幅に改善されていますが、できればセンサーはK-5Ⅱで24Mまでやって欲しかったという気もします。
この画素数であれば、ローパスレスにしてもモアレが目立つ場面はごく少ないでしょうし、今回最大のウリであるローパスセレクターも出番は殆ど無いのでは、と思います。
今回、露出制御にRGBセンサーを搭載しているのも注目しています。
画質は撮影してみなければ何とも言えませんが、メインCPUもPRIMEⅢになって、高画素化にも関わらず連写速度と連写コマ数がいずれも向上していることから、画像処理機能も改善が見込まれるところです。
ハイパー操作系は踏襲されていますし、デュアルカードスロットや無線LANによるリモート撮影対応、細かいところではモードダイヤルのロック・アンロックを選択できるとか・・・マニアックな(笑)ペンタックスファンに受けそうな機能満載ですね。
できれば購入したいところですが、まずは高感度撮影の実力を知りたいところ。
K-5Ⅱを下回ることは無いとは思いますが・・・それであれば、買う価値ありだと思っています。
投稿: ich | 2013年10月16日 (水) 05:57
>ich様
ここ数回の、小改良、明らかなプラットフォームの流用による新発売には、
そのたびにため息をついてまいりました。
でも、今回はAE、AFに新しい素子を起こしたり、画素数が増えても連写速度も継続連写コマ数もともに向上するなど
物量がつぎ込まれていて感動しました。
また、新たなボディSRの応用=ローパスセレクター=には感心しました。
天文用としては、ローパスレスによる若干の懸念(QのRAWでは星に偽色が出る)、それを低減するのにアクティブにセンサーを動かすのがどうも気が進まないこと、および24MP化したイメージセンサーの高感度性能も心配・関心のあるところです。
論より証拠、実写をみれば吹き飛ぶ懸念ではあります。
個人的には熟成した16MPセンサーのまま、今回のメカ的強化をしてくれればと思いました。
が、動画などセンサーに付随する仕様もありますので、こういった古臭い私のような考えのじじいが進歩を止めてもいけません(苦笑)
高画素化と低ノイズ化が両立できていれば、あるいは枕元へ・・・なんていう気もしています(笑)
投稿: keypon13^2 | 2013年10月16日 (水) 10:43