口径8cm用バックロードホーンの設計製作2
口径8cmフルレンジの冴えた中高音を生かしたままバックロードホーンのアタック感あふれた低音が得られたら、理想的な4畳半オーディオが作れるのではないか、と少々虫の良すぎる考えが生まれた。
一番早道なのは、10cmの時にお世話になったK-Designの板材キット(8cm用はBH08m)を購入すること。
何故か10cm用と12cm用はsold outだが、BH08mならば在庫がある。(2021/4/18現在)
だが、ちょっとケチな気持ちがもたげたのと、自主開発もいいかな、という気持ちも出てきた。
自主開発といっても、幾つか製作経験があり、ある程度傾向と対策のわかってきたバスレフ型と違ってバックロードホーンは現状暗中模索状態である。
そこで
第14回:バックロードホーン型(BH型)スピーカーの設計しよう ~その1(作例編)~ 初心者の自作スピーカー講座 カノン5Dの資料室 (fc2.com) 以降の、カノン5Dさんのサイト、ページを全面的に参考にさせていただいた。
基本思想としては、好感触を得た10cmの時のキットBH10mを模倣することとした。
・ホーン開き定数mは大きめの1.1
・ホーン開口面積は、振動板面積の4倍以上
・ホーン長さは欲張らず1.5m程度・・・無理に低音の帯域を下に広げるより音飛びの良いことを優先
・空気室は1.845L、スロート断面積は24cm2・・・とFE83NVの有効振動板面積3×3×3.14=28.26の85%にも達する・・・大きめの設計とし、ゆったりとした低音再生を目指す。→その後この思想は祟ることになる(苦笑)
基本はエクスポネンシャルホーン
S=So*EXP(mx)
So:スロート断面積 m:広がり定数 ここでは1.1 x:スロートからx[m]の距離の場所のSホーン断面積
で表せる、指数関数的に広がるホーンとした。
実際には、離散的な広がりで数回折り返すホーンとなる。
1回目試作では、下図のような(ただし赤い板はなし)形状となった。
このZ軸方向(実際にスピーカーBOXを立てたときには幅方向)の箱内寸は12cmとした。
木取り略図をエクセルで作っておくと、ホームセンターで板材のカッティングの時スムーズになる。
板材はランバーコアのサブロク板、板厚は15mmとした。意外と安くて2,200円ぐらいだったか?
べニア板の板厚15mmはホームセンターから姿を消して久しい。
ランバーコア材はけっこう反りがあるので、選べる場合には良く見て選ぶほうが良い。
この略図をホームセンターのその日の木材カット担当のおねいさんに差し出してお願いしたら、すぐさま理解してくれて手際よくカットしてくれた。
(デキる女って言葉が似合う)
1カット50円×17工程=850円は、安いと思えてしまう。
一応、音道の広がり状態を近似的にエクセルでチェックすると、下図のようになった。
橙:広がり率1.1の理論値
青:折り返しホーンの現実
板材の反りが若干感じられる。接着のあと荷重をかけると移動しやすい。接着の時音道の幅を確認しながら修正をかけながら蓋をする必要がある。速乾の木工ボンドは意外と固まるのが速く、位置決めが忙しい。
完成をじっくり待てるなら、速乾でないほうがいいかも。
が、一応格好にはなった。
空気室の調整が楽にできるように、バッフルは取り外しができるようにした。
素のデータ
ホーン長:約1.5m
空気室容積Va=12.5×12.3×12=1.845L
スロート断面積So=2×12=24cm2
ホーンとユニットのクロスオーバー周波数fx=10*So/Va=130Hz・・・適正値は200Hzあたりといわれている。
まあ、空気室Vaは詰め物で小さくできる。
fx=200Hzとするには、
Va=10*So/fx=10×24/200=1.2L
となるから、0.6Lほどの詰め物を覚悟しておく。
さて視聴。
詰め物なし:ボヨンボヨンホーン。ホーンが勝手にボーボーホーホーと鳴る。
ベースの音程が変わるごとに出たり引っ込んだり。
残念なボンキュッボン(苦笑)
中島みゆきが風呂場で歌っている orz
まあ、これはある程度想定通り。
ここまでもそうであったが、困ったときの神頼み、カノン5Dさんに教えを乞うことにする。
明らかに④の状態。①の方向にもっていくべきである。
木端で0.55Lほど空気室を埋めることにする。(スピーカー自身もマグネット等で0.07Lほどの体積を占める)
うーん、だいぶマシにはなった。が、まだこれだ、という充足感がイマイチ。
まだボーカルの風呂場反響が・・・。
すぐ思いつくのは、吸音材を詰めること。
ボーカルの透明感を得るには、この画像のように、ほんのちょっとで充分だった。
が、今度は音が死ぬ。
せっかくのバックロードホーンの、その低音の躍動感が・・・。
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