口径8cm用バックロードホーンの設計製作1
すでに口径10cm用バックロードホーンは、市販のBH10mというキットを組み立てて使用している。
このホーン、結構思い切った、割り切った設計のようだ。
実測による、大まかなホーン形状 黄色は、広がり率1.1の理論カーブ
まず、S=So*EXP(mx) So:スロート断面積 x:スロートからの距離[m] m:広がり係数
で表される広がり係数が、大きめの1.1
スロート面積Soがスピーカー(FE103NV)の振動板面積4×4×π=50.24[cm2]の95%に達する47.85[cm2]と大きめ
空気室が大きめ(ただし、これは物を充填するなどして小さくする方向の調整はできる)
ホーン長は1.3mほどと、短め
→帯域を欲張るよりも、音飛びの良さを重視という謳い文句である。
空気室のポケットにフェルト状の吸音材を入れて、現状ベストという状態で、使っていた。
低音の快活さというものは、ジャンルはちょっと選ぶが、10cmフルレンジからは想像できないほど満足感のあるものだ。
しかし10cmのFE103NVですが、中高域の切れ味、透明感、爽やかさというものがもう一つであるのも事実。
一方8cmフルレンジは、バスレフ箱ではいくつか経験してきており、爽やかな中高音など、その侮りがたい実力には注目せざるを得ない。
FE83NVとFE103NVの諸元比較をしてみる
周波数特性高域限界はともに22kHzだが、聴感上はどうだろう。
moはFE83NVは1.4gしかない。重低音再生はなかなか厳しいものがありそうだ。
もっと難しそうなのはQoの違い。FE83NVではQo=0.78と、意外と高い値なのだ。
Qoが小さすぎるとバスレフでは低音が出にくいので、あえてそういう設計にしてあるのだろう。
が、バックロードホーンにはこれは吉と出るのか凶と出るのか。
そこで、FE83NVをポチり、段ボールの仮箱で視聴。
中高域の冴え、透明感は期待通りだ。
明るいけどカサカサと”紙臭い”往年のFEシリーズとはちょっと違う感じだ。
緻密で爽やかで切れ味もよい。
センタードームが金属の機種FF85Kなどと比べると煌めき、金属系の楽器の冷たさの再現は一歩譲るが、キャップも同じ素材なのか、低音中音との音質の同一感に優れ、これはこれで魅力がある。
FE103NVではわずかに感じた高音のもう少し感・・・何だかマイカ=石臭い?もほぼない。
ぜひこの優れた中高音のユニットにスピード感のある低音のバックロードホーンを組み合わせてみたいものだ。
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