2023年12月15日 (金)

やっと出たAPS-C用広角ズーム、RF-S 10-18mm 1:4.5-6.3

EF-Mを廃盤にするなら、R7&R10発売にあたり、最初から用意してほしかったレンズ。
素人は、EF-M11-22 1:4-5.6があり、それをそのまま移植すればいいのでは、と考える。
EF-M比、またもや広角端がf/4からf/4.5に暗くなっている。
その代わり1mmワイドになった。
EOS M5を買い戻したので、EF-M11-22を中古で買い戻す手もある。
EF-S 10-18mmとの周辺画質比較が某カメラ量販店に載っていたので、
しゃあないな、とこのレンズの購入に腰を上げた。
しかし、EF-Sと比べたら画質は勝って当たり前。
EF-Mと比べてどうなのかだが、似たようなレンズを複数揃えるのもねぇ。

RF-S18-45とパーツを共用したのではないかと思うほどの、チンケストデザイン。
Rfswidestd1

今回は一応、超広角域もカバーするレンズとして、後端までレンズが配置され、ショートフランジバックは生かしているようだ。
Rfs10back


いつもの夜景でチェック。
Rf1645ntall

RF-S10-18mm 広角端開放F4.5  カメラはEOS R10
1/100面積の切り取り。
本当の右上隅には何も光源が無かったので、隅よりは少し内側です。全景からお察しください。
Rf1045ntco

比較対象にRF16mmF2.8のF4.5の画像。 カメラはEOS R6
Rf1645ntco

RF16mm F2.8開放
Rf1628ntco

RF-S10-18mm、うるさいことを言わなければ、まあシャープな良いレンズではなかろうか。
フルのRF16mm F2.8に比べても夜景描写ではそん色ない。
ただし歪曲収差電子補正だからからか、このレンズも多少ながら放射方向の吊れがあって、少し連れない気分になる。
どれもこれも普及RFは(RF28mm f/2.8 STMを例外として)こんなレンズばかり。

総評としては、軽いし、小さいし、1mm広いし。UDレンズ2枚とPMo非球面も奢って5万なら、しゃーない、買うかみたいな気分。
ただ、繰り返しになるが、開放F値がEF-M11-22よりスペックダウンしているのが残念だ。

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2023年12月14日 (木)

カモメレンズの実力はいかに・・・RF28mm f/2.8 STM

ミラーレスでレンズの設計に自由度が高くなった、とは良く聞かれる言葉である。
しかし、パンケーキレンズに限っては撮像素子への入射角度の関係で、難易度が増したらしい。
相次いでニコンとキヤノンの開発陣からメディア記事を通じて聞いた。
キヤノンの場合、レンズ断面がカモメの翼のような強度の非球面レンズでこの難問を解決したのだという。
そうして生まれたのがRF28mm 1:2.8 STMである。
これを買っても、RF-S標準ズームのスペックダウンから生じた”画角24mm難民”問題が解決できない。
でも、これは面白そうだ。
まるでちゃちい面構えだが、MTFグラフがLレンズをあざ笑うかのような高レベルを示している。
28vs28_1

28vs28_2

後玉は一目見て、四角くて特徴的な曲面を感じる。
さあ、いつもの夜景。
EOS R6 ISO400 RF28mm F2.8開放 4sec
Rf2828ntfull
中央部・・・いつもの画面1/100の部分の拡大
RF28mm F2.8
Rf2828ntctmag

RF24-70mmF2.8Lの28mm 開放
Rf2828lntctmag

smc Takumar 28mm F3.5の開放
Taku2835ct

中央部は、MFにおいてどこを合焦位置とするかで微妙な色ズレの違いがあるが、いずれのレンズも問題ない。

右上隅
RF28mmパンケーキ
Rf2828ntexmag

大三元RF24-70mmの28mm開放
Rf2828lntexmag

smc Takumar 28mm F3.5開放
Taku2835ntex

いにしえのTakumarの豪快な手裏剣状コマはご愛敬として、(これはこれで一つの味である)
カモメレンズ、これは素晴らしい。大三元を凌駕している。というか大三元何をしているのか。
パンケーキでコンパクトなら、若干周辺画質が落ちても大目に見てやろうというのが相場だが、
これは完全な下剋上だ。
この高度な非球面レンズの製造はCanonの某事務機の応用だと聞くが、
Canonならではの、RFレンズの期待できる新風である。
自分的にはベストRFレンズオブザイヤーである。

このレンズ、APS-Cの周辺画角で見ると、
Rf2828ntapmag
うるさく見ると幾分三角形のコマを感じるが、まあわずか、いちゃもんレベルである。
このままフルサイズの周辺でコマが増大するかと思えば、フル周辺ではむしろいい。
不思議なレンズだ。
このレンズも最近のCanonレンズの御多分に漏れず、歪曲収差電子補正である。
が、この種の補正で決まって現れる、夜景での放射方向の引き吊れがほとんどないのもいい。
ともあれ、この5万円は面白い。
Canonのファンを続けられそうだ。

 

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2023年12月12日 (火)

画角84°のレンズ達の対決

RF-Sにフル24㎜相当のレンズがなかなか出ず、悶々としていた。
山はAPS-Cで充分である。
フルサイズにRF24-70mmF2.8Lを山に持っていく気力はなく、
フルのなかでは小型軽量なEOS RPかEOS R8を買って、RF24-50mm F4.5-6.3にするか。
これまた広角端が暗い。せめてF4なら。でも、レンズは先に確保してみた。
いまさらRPじゃ使わなくなるのは目に見えているし、
小型軽量も性能のうちとは理解しても、R6を売って下位機種のR8に乗り換えるのも気分が進まない。
結局、EF-M15-45mmを使うためにEOS M5を中古で買い戻す羽目に。
何だかCanonのレンズ展開にむしゃくしゃする。
Angle84deg

でも、描写力で圧倒しました!
これからの新時代についてきてください、というのなら信じてついていくことも吝かではない。

昼の風景で。
Efm1535dlall

APS-CはEOS M:5184×3456pix、フルサイズはEOS R6:5472×3648pixであるのであしからず。
左下隅の面積で1/100の部分を見る。

EF-M15-45mmの広角端開放F3.5
Efm1535dlmag2

RF24-50mmの広角端開放F4.5
Rf2445

RF24-70mm F2.8Lの広角端開放
Rf2428lmag

EF-Mは調整不良なのでは、と思うが、実はこれも買い直している。
複数の個体で似たような結果だ。でも3人で自撮りするような近距離では隅は気にならないし、換算24mmの画角は重宝する。
RF-S18-45mmの企画者、出てこい!
さして期待していなかったRF24-50mmの並レンズは?
ズーム比を欲張っていないせいか、割と頑張っているが
そして。さすがに大三元のLレンズは広角端F2.8開放からきめ細かく切れ込み、明らかに良い。安心した。


念のため、夜の点光源でも確認しておく。
今度はEF-M15-45のボディはEOS M5:6000×4000pixであることに注意。
全景。
Rf2428ntall

右上の面積1/100を拡大してみる。
RF24-70L広角端開放
Rf2428lntmag
ん?
RF24-70L F3.5
Rf2435lntmag
ん?
EF-M15-45mm広角端開放
Efm1535magnt_20231212234901
ピントはRF24-70Lのほうがいいが、光源の流れはむしろ目立つ!

RF24-70L F4.5に絞る
Rf2445lntmag

RF24-50mm F4.5-6.3の広角端開放F4.5
Rf2445ntmag

なんだこれは。
30万円も出して買ったレンズがコノザマだ。
RF24-50のしょぼ安物ズームのほうが安定している。
収差というより・・・偏芯かなにかではないか。
昼の風景では左下隅を見ていたが、夜景では右上を見ていたのでそうなったか。
いや、30万円のレンズにはその言い訳は通らない。
大きく、重く、そして高価になった大三元の中心的レンズがこれか。。。
なんだか、がっかりである。

 

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2023年12月11日 (月)

EF-M15-45mm 1:3.5-6.3 vs RF-S18-45mm 1:4.5-6.3

EOS R10は速写性とAFの賢さを中心に、想像以上に良いカメラだ。
しかし、その標準ズームは、EF-M時代に比べて、ワイド端が15mmから18mmに狭くなり、明るさもf/3.5からf/4.5に暗くなっている。

カメラにつけてズームしただけで、ズーム比狭くなっているのはすぐにわかる。
なぜこんな仕様にしたのか、Canonに100回問いただしたい。

圧倒的に小型にしたから?質量は変わっていない。マウントが大口径になったから、実質10g軽くしました!というなら、10g重くなってもEF-Mの光学系のままでお願い。

圧倒的に安くなった?そんな気もしない。こんなショボいレンズに5万円も出したくない。
きっとCanon的には、利益幅を確保したに違いない。

Efmvsrfs1

前玉はショボく小さい。

Efmvsrfs2

まるでトイカメラのように小さく奥まった後玉。萎える。
ミラーレスって、ショートバックフォーカスを生かして高性能化できるんじゃなかったっけ?

15㎜と18㎜って、こんなに広角感が違う。
15㎜
Efm1545all

18㎜
Efm1845all

でも、画質に大きな進歩があれば、まあ、RF-Sにも存在価値はあるが。
左下隅
EF-M15mm3.5  ワイド端開放
Efm1535mag

RF-Sに合わせるため、18mmF4.5で使うと、なぜだか画質が低下し、
EF-M18mmF4.5
Efm1845mag

RF-S18mmF4.5
Rfs1845mag
デジタル画像補正が効果を上げているのか?
画質的には、同じ18mmでは明確にRF-Sの勝ちではある。
しかしEF-Mの15mm域はそれほど悪くないし、なにより15mmが使えるのは3人くらいの自撮りの時便利だ。
新しいシステムの標準ズームだ。最新の技術で画質と利便性の両立を図って欲しい。それが進歩というものだ。

さて、夜景では?
Rfs1845allnt

画像右上部分600×400ピクセル
EF-M15mm 1:3.5
Efm1535magnt

EF-M18mm 1:4.5時
Efm1845magnt

RF-S18mm 1:4.5
Rfs1845magnt

これは、また悩ましい結果。
EF-Mのワイド端開放はやはり画質の低下が伺われる。とはいえ。。。RF-Sが優れているかというと?
シャープさはRF-Sのほうがあるが、内方コマというのか、とがったハロが目立って尾を引くのもRF-S。
天体にはF4.5はただでさえこれ以上絞れないし、絞っても、たる型歪曲の電子補正のせいか、尾を引くのは直らない。
天体はフルサイズでやってちょうよ、とCanonはあざわらっているのか。

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2022年2月28日 (月)

RF16mmF2.8 STMのイジワルテスト

16㎜という超広角それもF2.8と割と明るく、小型軽量で4諭吉でおつりがくる。
比較の対象として適切ではないが、レフカメラ用のEF14mmF2.8LⅡUSMだと337,700円!
広角で2mmの違いは大きいとはいえ。
もちろん、光学の力だけで性能をまとめたレフ時代のLレンズは土俵が違うだろうし。

この思い切った仕様のRF16F2.8、怖いもの見たさを感じた人民は大勢いるようで、12月時点で納期は3ヶ月と通告された。
実際には2ヶ月程度で来た。
果たして、このRF16、電子補正前提の薬漬け医療!?のボロレンズなのか??
Rf16_gaisou

電源を入れた状態。少し繰り出す。OFFの時はツライチぐらいまで引っ込む。RF50/1.8と寸分たがわぬコンパクトさ。
Rf1628_back

後玉は大きく存在感を示している。

さて、実写。
EOS RP  RF16mm F2.8 STM  F2.8/ 1/3200sec ISO100 カメラ補正ありきのJPEG
Rf16_col
幾分周辺光量落ちを感じるが、スカッとした感じで、思いのほか悪くない。
ここですかさずマウント取り外しボタンを押して緩め方向に少し回す。
→カメラにレンズ情報がいかなくなり、素の写りとなる。
Rf16_noncol
なるほどね。著しいタル型の歪曲収差と周辺減光。
カメラで歪曲収差のOFFは選べないが、周辺減光のON/OFFは選べる。
こういった仕様に是非の議論はあると思うが、わざわざOFFの画像を評価する必要もないと思う。
むしろミラーレスカメラだからできた思い切った仕様、そして手の届く値段を評価すべきであろう。

因みに、安いほうのRF24-105 (STMバージョン)も、電子補正前提。
24mm電子補正あり
Rf24105stm_col

同補正切
Rf24105stm_noncol
こちらは完全に四隅が蹴られている。


さて、RF16mm F2.8 STMに話題を戻す。
この画角、星景に好適だが、画質的に使えるのか・・・?
あまり期待はしてなかった。

いつもの夜景でテスト
EOS R6 RF16mm F2.8 STM /ISO400  補正はカメラにお任せ全項目ONの JPEG
全景
Rf1628_all

左上隅(面積で1/100)等倍切り出し
F2.8
Rf16_28mag

F4
Rf16_40mag

F5.6
Rf16_56mag

開放F2.8では鳥が羽を広げたようなサジタルコマがあるにはある。
でも、全画面の面積に比べたら、狭い所に収束していると思う。
F4ではサジタルコマが減り、タル型歪曲収差を補正したから?と思われる内方コマ状の流れと相まって手裏剣状になっている。個人的には嫌いでない。
F5.6ではサジタルコマは見えなくなり、内方コマ状の流れが残る。

星景なら開放でも行けるんじゃないか。
これは儲けもの。
一段絞ってもF4だからまだ星にも行ける。

星景
EOS R6 RF16 F2.8開放/30sec ISO400 ポタ赤で追尾
RAWをDPP4でトーンカーブ強調処理
Winter_hex

光害が酷くて露光を上げられなかったが、星像は小さくまとまり、思ったよりいい。
2000万画素のR6で使う限り、遠景では意外としっかりしたイメージを結ぶように思う。

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2021年2月16日 (火)

RF50mm F1.8 STM その5

ボケ味を見る
RF50mm F1.8 STM開放
Rf5018bokeh1

EF50mm F1.8Ⅱ開放
Ef5018bokeh

フレアの違いでわかりにくいが、ボケ量の少ない所で若干うるさい二線ボケ傾向なのは、両者よく似ている。
RFは、シャープネスや、ミラーレスならソフトウェア補正に頼りがちな歪曲収差などをレンズ単体で生真面目に補正しているのは評価すべき点ではあるが、個人的にはボケ味に進化があればなおよかったのでは、と思う。
もちろん、この安さのレンズには酷な要求だとは、承知している。




 

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RF 50mm F1.8 STM その4

星景で見てみる
F1.8開放 周辺減光、歪曲、色収差、回折補正無し
Rfori5018non

F1.8  周辺減光、歪曲、色収差、回折補正あり(カメラ内自動補正)
Rfori5018

左下隅の補正(上)補正無し(下)の比較
Rfseiyamagyn5018
星の位置がほとんど変わっていないことから、歪曲は補正無しでも元々とても小さいことがわかる。
コマ収差には各種補正は無力であることがわかる。
コマ収差がカメラで補正できたら、レンズの在り方も随分変わると思うが、光学の力で補正してほしい気もする。

対象物が違うので比較が難しいが、EF50mm F1.8Ⅱの画面左下隅の歪曲、色収差の補正、非補正を同様に比較してみた。
上補正、下補正無し
Ef5018yn
非補正だと若干画角が広くなり、たる型の歪曲があることがわかる。

RF50mm F1.8に戻り、F4に絞ったもの
F1.8と露光量を同じにするため、露出時間を長くしてあります。
レンズ収差補正無し
Rfori5040non

カメラによるレンズ補正あり
Rfori5040


左下隅の拡大
補正あり上、補正無し下
Rfseiyamagyn5040
星が流れているのは、ポタ赤の極軸据え付け精度が甘かったため。
倍率色収差は効果的に補正されていることがわかる。
周辺減光補正は、個人的にはちょっとやり過ぎ?のような気がする。補正無しのほうが自然な印象を持っている。

いずれにしても、F4に絞れば結像性能はLレンズといっても過言ではない、と思う。

逆光時のフレアの比較
RF50mm F1.8STM
Flarerf

EF50mm F1.8 Ⅱ
Flareef

同一条件にしにくいので、あくまでも参考程度。
EFでもSTMバージョンはコーティングの改良があったので、ここまで差はつかないと考えられる。

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2021年2月 4日 (木)

RF50mm F1.8 STM その3

今度は、絞りこみによるコマ収差の改善を調べる。
F4まで絞ってコマがすっきりすれば、天体用にも好適といえるのだが、いかに。

フルサイズ左下隅、全景の1/100の面積の切り取り。
上RF50mm F1.8STM/下EF50mm F1.8Ⅱ

F1.8開放
Ref5018coma

F2.8
Ref5028coma

F4
Ref5040coma

F5.6
Ref5056coma

F8
Ref5080coma

うるさいことを言わなければ、RFのほうはF4でコマ収差的に天体撮影にも合格である。
EFはF4ではまだ豚の蹄のようなコマが残っている。
これは大きな収穫である。末永く、この撒き餌を愛していけそう。
両者とも完璧にはF8まで絞るのが良い。が、星には暗すぎる。

たまたまこのRF撒き餌で、急遽半ば業務の写真を撮る必要に迫られた。
しまった、ズームを持ってくるべきだった、と一瞬後悔したが、50mmで広角的にも望遠的にも使いこなしていた昔を思い出した。
直線が直線にきちんと出る。金属の光沢の木目がきちんと出る。
単焦点は頼もしく、楽しいのだ。

足で稼ぐ被写体との画角調整、絞りの使いこなしでポテンシャルを発揮できるMT車のような楽しさが、このレンズにはある。




 

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RF50mm F1.8 STM その2

最新の設計で大幅に高性能化ができるんじゃないか?
バックフォーカスの制約もなくなり、比較的ローコストなPMo非球面レンズだって使える昨今。

MTF メーカーHPより
上RF50mm F1.8 STM
下EF50mm F1.8 STM
Mtf_5018s
曲線を眺める限り、革命的には向上していない。
画面中央から15mm辺りまでは、非点較差が少なく良好な画質が期待できそうだ。
それより隅は基本5群6枚のダブルガウス型だからたぶんね、主としてコマ収差による低下でしょうね。
また、これは絞り開放の時の曲線だから、絞ってどうなるかはわからない。

EF50mm F1.4 USMの開放のMTFはこれより低めだけど、F1.4~2あたりでバックからふぁっと主題が浮き立つような描写は好きだし、MTFだけでは何とも言えない。

夜景でテスト。開放での比較。

↓RF50mm F1.8 STM開放 全景
Rf5018comazen

↓EF50mm F1.8Ⅱ 開放 全景

Ef5018comazen

この段階でわかることがある。
RFのほうが少しワイドな画角であるということ。
ちなみに、歪曲収差補正は双方ともONである。OFFにしてもRFのほうはほとんど変わらない。
伝統的に、各社50mmレンズはライカのレンズを手本にして?、実測値は51.6mmのものが多いが、バックフォーカスの制約が緩くなったのでRFでは正確に50mmにしたのだろうか。

では、部分を拡大して観察してみる。

全景の面積1/100を切り取って比較している。

まず、中央。上RF、下EF以後共通
Ref5018comacent
よく似た描写である。非球面だから球面収差に大差が出るかと思ったが。
EFのほうは、やや軸非対称なハロが生じている部分がある。
プラ鏡筒のガサガサが影響しているかも。それも実力のうちである。

APS-C判隅に相当する左下方部分
Ref5018comaaps
RFはコマ収差は認められるが許せないほどではない。立ち木など、画像の鮮明さは割と保っている。
EFはいかにも昔のレンズといった感じである。
かなり差のついた部分である。

フルサイズ左下隅部。
Ref5018coma
隅まで来ると、さすがにRFもコマ収差が目立つ。RFのコマのほうが瘦せてシュッとしているが。

開放の比較では、中間画角まではRFが顕著に良い。隅は、両者ともコマ収差で画質が低下する。

 

 

 

 

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RF50mm F1.8 STM その1

 ミラーレスのフルサイズにしても、ミラーありに比べて圧倒的に小さくなった感じがしない。
レフ時代のレンズをマウントアダプタ―で運用しているせいもある。
元のレンズが小さいほど、アダプターの長さ、重さが効いてくる。
ボディも小型軽量が売り物のEOS RPだからなおさら。
それに、高性能を打ち出すあまり、レンズが大きく重くまた入手絶望的に高価。

 レフ機時代みたいに撒き餌レンズの一つや二つは出ないものか。      
と思っていたらミラーレスにも出ました。その名もRF50mm F1.8
さすがCanonわかってらっしゃる。
これなら買える、と注文に走るのだが、納期約1ヶ月だそうだ。
EF50mm F1.8Ⅱはあるし、不要不急なので、じっくり待つか。
と、入荷連絡。思っていたよりは早く、二週間位で来た。

Souchaku5018s

さて、このレンズ、光学系が一新されている。
レンズ構成5群6枚というざっくりとした表現では同一に思えるが、非常に長きに渡って製造の続いたEF50mm F1.8の系譜とも、素人が見ても似て非なるものであることがわかる。

レンズ単体では後玉がマウント面より前に引っ込んでおり、ミラーレスのショートバックフォーカスを充分生かしていない感じに思える。
Rear_5018s

しかし、レフ用のものはマウントアダプター(厚み24mm)を挟まなくてはならないから、話が変わってくる。
下図の赤はセンサー(対角43.3mm)の大きさと位置を表す。

Comp5018

厳密に正確ではないものの可能な範囲で寸法関係に配慮して、並べてみる。
(構成図はメーカーHPより拝借)
レフ機時代の光学系を流用して鏡筒だけを再設計しても、S社の50mmF1.8のように袴が長くなり、今回のRF撒き餌ほどはコンパクトにならないことがわかる。

Length5018s


絞りの前後のパワー配分が違う。

Ilis_501856
同じ絞りF5.6にして両者を前後から覗き込むと、RFのほうは後ろから見たとき絞り径が比較的小さく見える。従来に比較して後群の負のパワーが相対的に強く(極端に言うと凹レンズっぽい)従来と比較すればテレフォト型っぽくなっているといえる。バックフォーカスの制限が緩くなった中でレンズをいくらかでも後退させ、レンズの全長を抑えるためであろう。

まあ、ユーザーとしてはコンパクトになり、より近接が効いて、画質は今までと同等(かできれば改善があれば尚よくて)なら、メーカーの苦労など知る由もないが。

近接性能は目に見える進歩。
RF50mm F1.8 30cm
Rf5018up

EF50mm F1.8Ⅱ  45cm
Ef5018up
もっとも、EF50mm F1.8 STMでは35cmまでは行けるわけで。。。

とはいえ、近接になればなるほど急に繰り出し量は大きくなるので、5cmの差も偉いのです。
Kuridashi5018s





 

 

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